ちょっと昔のお話です。
実は僕はちょっとした携帯電話マニアでした。
auのデザイン携帯に惹かれて、
長年愛用したdocomoから乗り換えました。
INFOBAR、talby、neon、
MEDIA SKIN、INFOBAR2、G9、PLY
と新作が出るたびに買い替えて来ました。
よくスペックだとか、
使い勝手だとかを問題にする人達がいますが、
デザイン携帯に関しては僕はデザイン優先で、
少々の使い勝手の悪さや機能は問題にしません。
要は、そのデザインを所有していることの満足感、
これがすべてです。
機能に関してはメールと電話が出来れば充分ですし、
使い勝手の悪さなどしばらく使っていれば慣れます。
人間にはそれくらいの柔軟性は備わっていますから。
で、万が一傷などがついてしまうと気になって気になって、
何度か外装交換というのを有償でお願いしたことがあります。
あるときauのカウンターのお姉さんに、
「半年か1年くらいお使いになってから、
外装交換されたらいかがですか?」
とアドバイスされたことがあります。
確かに、その間にもまた傷がつくかもしれないわけで、
彼女のアドバイスは理にかなっています。
でも、我慢出来ないんです。
気になって気になってしかたがないんです。
するとお姉さんは不思議そうに言いました。
「うちの旦那もお客様と一緒でそういうこと気にするんですよ、
何故なんでしょう?」
僕は答えました。
「女性だって自分の顔に皺が出来たとか、
シミが出来たとか気にするでしょう?
女性は自分自身に、男性は愛用品に執着するんです」
そういうと彼女は妙に納得したようにうなずきながら、
てきぱきと外装交換の手続きをしてくれたのでした。
最近、スマホばかりが隆盛で、
携帯電話の存在感には悲しいものがあります。
確かに機能的には格段に進歩しましたが、
デザイン的にはどれもこれも大差ありません。
電話とメールだけに特化した、
しかし奇抜で自由なデザインの携帯電話の復活が、
あったらいいな。