恐竜vsほ乳類2 | 田窪一世 独白ノート

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ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


誕生から1億5000万年ものあいだ、

私たちの祖先はネズミ程度の大きさでした。

しかしその間にひとつの大きな変化がありました。

それが今日の成功への鍵とも言われる繁殖術の改革、

つまり胎盤を持つことだったのです。


胎盤は今の私たちが赤ちゃんを産むのに、

欠かすことの出来ない組織です。

胎盤と卵にはどんな違いがあるのでしょうか。

卵の場合、子供は殻の中に隔離された状態です。

本来、母親と子供は別々の生き物だからです。

その壁を取り払ってくれるのが胎盤です。


へその緒の中を通っているのは赤ちゃんの血管です。

そのへその緒の先にある胎盤で

母親から酸素や栄養を受け取ります。

しかし別々の生き物である母親と、

赤ちゃんの血液が直接混じりあうわけにはいきません。

しかし胎盤の内部に巧みな仕組みが備わっているのです。


それが「じゅう毛」と呼ばれる組織です。

その中には赤ちゃんの血管が張り巡らされています。

そこに母親の血液が降り注ぎ、

必要な成分だけがしみ通るようになっているのです。

たとえ血液型が違っても、

母親と赤ちゃんが一緒に生きることが出来る、

それが胎盤の働きなのです。


この仕組みによって母と子はいつも一緒です。

これこそが恐竜時代を生き抜く秘策でした。

お腹の中にいる間、

子供は自分で食べ物を探す必要がありません。

食べ物の少ない夜の世界ではこの方法が有利だったのです。

つまり恐竜の存在が、

ほ乳類の胎盤という繁殖革命をうながしたのです。



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