呪い、祟り | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


フロイトは「無意識の発見者」と呼ばれます。

古代人は、人が心の病気になったとき、

その原因は無意識の中にあるのではなく、

むしろ原因はその人の外にあると考えました。

たとえば誰かに呪われているとか、

掟を破ったために神の祟りを受けているのだとか、

何かのせいでその人の魂が外に彷徨い出て、

迷子になってしまったからだと考えました。

だからその治療法は、

呪いをはらったり、神の怒りをなだめたり、

迷子になった魂を探し出して、

元の場所におさめたりすることでした。

そして、その治療をおこなったのは呪術師でした。


中世に入るとヨーロッパでは、

キリスト教の考え方が社会を支配し、

心の病は悪魔の仕業だと考えられるようになりました。

したがってその治療は、

聖職者(エクソシスト)がおこなったのです。


フロイトの発見の重要な点は、

心の病の原因が無意識の中にあると考えたことです。

体は健康なのに意欲が失せて何も手につかなくなるとか、

1日に何十回も手を洗わないと落ち着かないとか、

体は健康なのにもかかわらずさまざまな精神的な症状が現れる、

それらはすべて人の心の中の「無意識」の中にあるのです。



▶︎みりん