心の病には広い意味での心の病と、
狭い意味での心の病があります。
狭い意味での心の病とは、
この世で生きていくことが困難になってしまうような病、
つまりその病のために、
社会生活が送れなくなってしまう病のことです。
これには大きく分けて神経症、精神病、境界例があります。
神経症にはヒステリーや恐怖症などがあり、
他者(精神科医)とコミュニケーションが取れるので、
話しながら治療を行うことが出来ます。
これに対して精神病とは統合失調症や躁鬱病を指し、
他者とコミュニケーションを取ることが難しい病気です。
そのどちらでもない、
あるいはどちらの性質も備えているもの、
これを境界例と言います。
これはフロイトの時代には存在せず、
もっとあとになって認められるようになりました。
広い意味での心の病とは、
すべての人間がかかっている病のことです。
わたしたち人間は、
たとえ順調に社会生活を送っていたとしても、
人生に100%満足することは出来ません。
必ず何かしら不満や悩みを抱えているものです。
動物は人間のように心を持っていないため、
そうした悩みは抱えていないと考えられます。
人間だけが「心の悩み」を抱えているのです。
満足、充足を知らないこと、
これが広い意味での人間の心の病なのです。