意志の演技 | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


感情だけの演技はわずらわしい。


技の演技はよほどの技でなければ見ていられない。

しかし相当に見事な演技でも感心はするが感動しない。


僕は俳優の演技の中に「意志」が感じ取れれば感動します。

新渡戸稲造が著した「武士道」の中にこんな一節があります。


「武士道は知識を重んじるものではない。

重んずるのは行動である。

したがって知識はそれ自体が目的とはならず、

あくまで知恵を得るための手段でなければならなかった。

単に知識だけをもつ者は、

求めに応じて詩歌や格言を作り出す、

「便利な機械」としか見られなかったのだ」


人が行動を起こそうとするときに必要なもの、

それは「感情」や「技」ではなく「意志」です。

だから意志のある演技に僕は感動するのです。



▶︎近景