あはれ | 田窪一世 独白ノート

田窪一世 独白ノート

ブログを再開することにしました。
舞台のこと、世の中のこと、心の中のこと、綴っていきます。


日本独特の美意識に「あはれ」という言葉があります。

奈良時代に、もの哀しい、気の毒なさま、

という意味で使われました。


これはきっと、地震や台風などの、

災害の多い日本の風土からくる日本人にしかわからない、

価値観なのだと思います。


そしてこの言葉が、

公家文化から武家文化の鎌倉時代に移って行くと、

「あっぱれ」という言葉に変化します。

「あっぱれ討ち死にした」などと使われるようになるのです。


現在ではこの「あっぱれ」という言葉は、

「天晴れ」と書きますが、実はこれは当字で、

本来の意味は裏側に「哀しい」があるのです。


小説家の池波正太郎氏は、

「1日に一度は「死」について考えなさい」と言いました。

「死」を考えることで「生」を意識する。

やはり日本は侍文化の国なのだなと思うのです。



▶︎丸子橋