2023/6/18 ちょっと更新

 

親記事↑ 
※よく調べた上で自己責任で導入してください。最終型を除くNF13Aが対象です。200でも動作報告があります。

本ページではノーマルのOSR-CDI基板をうまく使って導入する方法を説明します。ケッチンのリスクがあります。
rilassaruさん(利楽猿さん)のブログにあるマニュアルを読んで、ノーマルOSR-CDIの作り方を理解していると作りやすいと思います。
作製に必要なデータはヤマハ2st電装友の会で公開されています。

  1. 結線方法
    ・純正CDIの配線色↓(例えばIGNは白に青のストライプといった見方)
    純正CDI ピンアサイン


    ・OSR-CDIの結線方法と役割↓
     OSRは配線図と基板上の印刷に一部違いがあるため、基板上の印刷で統一しています。



     
  2. チャージコイルの結線について
     ヤマハのチャージコイルは3線式ですが、NF13Aは2線式です。赤(RED)・緑(GRN)に結線します。


     ただしこの繋ぎ方だと充電電圧が定格の400Vを平気で超えます。そこで純正の回路を参考にして以下の図のように結線方法を変更しました。この結線方法だと純正並みの電圧になります。


     黒赤線はそのままREDに接続。赤黒線はそのままGNDに落とす。(Blkに繋ぐか、図のようにGrmに繋いでUF2010の代わりにJP線を半田する)

     SDR only(回路図のKeep open)に抵抗、もしくはUF2010を半田すると、純正の回路と近くなり200V程度に収まります。私は1W12.7Ω相当の抵抗で確認しました。 (純正は1W5.6Ω抵抗を使用しています。)


     そのまま結線する場合は定格600V以上のコンデンサとSCRを使いましょう。IGコイルの寿命は確実に削られるため、チャレンジャーな方限定です。

     
  3. ファームウェア等
     ソフト関係は1.4.0を使ってください。
     →当時の最新が1.4.0でした。125ガンマにも使用できるように
    利楽さんが更新してくれたものです。今の最新は1.4.1です。サイリスタがディスコンになっているので8P4SMAに変更してゲート抵抗を51Ωから120Ωに変更 、ピックアップの並列抵抗も変更されているらしい。動作すると思いますが未確認です。(23/6/18)

     設定ソフトの排気デバイス角度がAETCに対応しています。また点火信号の不感領域が拡大しているので、ガンマの特殊なフライホイールの突起でも使用できます。
  4. セッティング
     本来であれば10度・20度一定の点火マップを入れてタイミングライトで校正します。
     しかしNF13Aはタイミングライトを使うことができません。

     

     


    私の車体ではPick up coil positionは52度が丁度よかったので参考にしてください。
    200は数値が変わるので注意! 46度という報告はありました。校正のズレはそのままエンジンやセルのスターターギヤの破壊に繋がるので、可能ならタイミングライトを使用できるようにした方がいいです。


     
  5. 点火マップ作成
     1.セルケッチンが起きないように低回転で十分に遅角 2.始動時のアナログ点火をしない設定(3ページ目 Count of initial analog ignitionの値を0にする) 3.無理に進角しない の3点に注意!

     NF13AにOSRを導入すると第2波点火を使ったアナログ点火ができません。そのため始動性が悪く、ケッチンが起きやすいです。セルケッチンはスタータークラッチの故障原因になります。
     また単気筒車は低回転時に回転のばらつきが大きい(上死点前でクランクの角速度が低下する)ため、点火マップ通りに点火しません。
     これを防ぐために点火マップ側で調整します。
     低回転では点火時期を十分に遅らせましょう。アイドリング付近の点火時期は、タイミングライトが使えない場合はフィーリングで決定します。(点火時期変えるとエンジン音やアイドリング回転数が面白いほど変わります。)

     NF13A純正点火時期は、アイドリングで14度、最大22度進角ですが点火マップはまだ計測できていません。サンプルマップなどを参考にして作成します。進角させ過ぎたマップ、高回転で十分に遅角させないマップはエンジンをぶっ壊します。

    例↓


     デバイス角度は9000rpmで中開、10000rpmで全開のようです。
     設定ソフトのPVSの値は全閉は48、中開は119、全開は171くらいです。
     純正は全閉・中開・全開の3段階制御ですが、開き始める回転数を変えたり、滑らかに繋いだりすると面白いかも。(私には違いが実感できませんでした)

     アナログ点火が行えないため、始動時のアナログ点火をしない設定(3ページ目 Count of initial analog ignitionの値を0にする)を必ず行ってください。
     これをやらないと始動時に意図しないタイミングで点火します。
     
  6. 専用基板について
    始動時のアナログ点火を行えるようにし、NF13Aに合わせて改造した基板が専用基板です。