ファズGが活躍するR&Bをベースにした重量感に富んだサウンドが魅力 /マウント・ラシュモア | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

MOUNT RUSHMOREはアメリカで結成されたVo兼G、G、Bs、Dsの四人から成るバンドで、68年に1stアルバムそして翌年69年に2ndアルバムを残して解散したが、その二枚をこれから紹介。自身は2000年代初頭から流通し始めた、二枚のアルバムが1CDとしてセットになった輸入CDを店頭で迷わず購入したが、オリジナルは恐らく激レア盤と想像の付くもの。

どちらも60年代後期に録音された事から、R&Bをベースとしたサイケを色濃く残したサウンドとなっているが、どちらかと言えばビート・ロックからハードロックへ足を一歩踏み入れた形の、サイケ・ハードからヘビィ・ブルースに近いもの。それが故に時代を反映してか全編に渡って二本のファズGが冴えまくる展開となっているが、リズム隊の重量感が初期G・F・Rに近く、ウネリまくるBsやボトムを効かせたパワフルなドラミングがハードロック然として中々カッコイイ。もちろん「ハートブレイカー」の大ヒットによってメジャーバンドとなったG・F・Rとは、全てにおいて比べるまでには至っていないが、売れなかったが故のB級の良さは間違いなく味わえる筈。とにかく出来るだけ独自性の感じられる部分を探して耳を傾ける事が肝心といった処。もちろん二本のGに特別センスや技量を感じる事もないが、兼任Voにもう少し個性(下手ではない)があれば、バンドとしてはまた少し違った展開になっていたのかもしれない。ただこの時代のアメリカにはドアーズを代表とする様に、こういったR&Bを昇華した形のサウンドを特長としたバンドはゴロゴロしていたので、そう多くは望めないのかもしれないが、、、、

 

   68年1st  69年2nd

 

二枚共楽曲におけるクォリティーは同等で、ハードロック・リスナーの方々にあっても、特にサイケ・ハードやヘビィ・ブルースが好きと言った方には文句なく楽しめると思えます。2ndアルバムの方がよりサウンドも洗練されて聴き易く感じられますが、1stアルバムはよりサイケ色の感じられるバラエティーに富んだ楽曲構成が魅力の一枚といったところでしょうか。もちろん自身が購入した二枚が1CDとなったお買い得CDが今でも入手出来るのであれば、全く比べるまでもないのですが、どちらにしてお薦め出来る二枚である事には変わりはありません。