R・ブラックモアをGに迎えて制作されたセッション・アルバム /グリーン・ブルフロッグ | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

GREEN BULLFROGはD・パープルのギタリストR・ブラックモアを中心として一時的にイギリスで結成されバンドで、それにDsがイアン・ペイス、Gがアルバート・リーと、ブリティッシュ・ロックシーンにおいては知名度の高いミュージシャンばかりで構成されたスーパー・セッション・バンド。バンド構成はVo、G、Kb、Bs、Dsの五人編成で、セッション・バンドであるが故にGだけは曲によって人選が多少異なっている。アルバムはこれから紹介する70年に制作されたものを唯一とするが、自身は80年代に再発された米国盤輸入LPを長い間聴いていたが、近年CDが再発されると同時にそれに乗り換えた。

その内容はリッチー独特のフィンガリングによる手癖フレーズが曲の随所で登場する、ほぼ即興に近いハードなR&Rアルバム。自ずとツインGによるハモリなどから、そのG音の違いや放つフレーズの違いで、これは誰と誰のソロといった具合に楽しめる事請け合い。

こうして聴いてみるとやはりリッチーのギタリストとしての才能は、その特異なフィンガリングやバッキングもさることながら、アームを駆使した独創性の感じられるGフレーズは当時から図抜けていた事が判るが、まさかここでもお定まりとも言える手癖フレーズが登場してくるとはnnnリッチーらしいと言えばらしいが、、、、

結果的にオーソドックスなR&Rアルバムである以上、メロディアス且つブルージーなGソロや、Voの技量が問われる雰囲気のあるバラードを聴ける事は無いが、リッチー・ファンならこのアルバムは決して避けては通れないし、ギブソンGから放たれるナチュラル・ディストーションによるハイ上がり気味の太くヘビィなG音だけで、充分満足感には浸れるといった処。

 

         70年アルバム

 

蛙が脇に佇むだけのデザインが施されたオリジナルLPは、同好仲間がかつて所有していた事から一度は眼にしたことがあるのですが、CDにおけるコミカルなカバーアートとは全く異なるものです。自身の所有するCDはリマスター盤で、オリジナルミックス・バージョンがボーナスとして付いていましたが、ほとんどオリジナルと変わり映えしないのが残念な処です。それが故に実質33分程度の収録分数では、コスパの低いアルバムと言わざるを得ないのですが、それを承知の上で聴く分には、ハードロック・リスナーの方々には充分推せる様な気がします。もちろんリッチー・ファンなら文句なくお薦めと言った事になると思いますが。