サザーンロックにインスパイアされたと判るそのサウンドは北欧のバンドにしては少し異質 /アソカ | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

ASOKAは北欧スウェーデンで結成されたVo、G、Ds、Bs、Kbから成る五人編成のバンドで、71年に残されたこのアルバムが唯一バンドが残したもの。自身は2000年代になって初CD化された時このバンドの存在を初めて知ったが、それが故に日本では認知度の非常に低い激レアとも言えるアルバムの一つ。

そのサウンドは同国におけるテクニカルなプログレ・ハード・バンド、通称「サーティ・イヤーズ・ウォー」と似て非なるもので、全体的な曲調は明らかにCSN&Yなどを含めた、サザーン・ロックにインスパイアされたものであるが、楽曲構成はジャズ・テイスト含んだテクニカルなプログレ・ハードからW・アッシュ紛いのGのハモリが美しいナンバー、更にパーカッションがポコポコ鳴り響くラテン・サウンドまで余りにもごった煮的と映るもの。それが故にバンドの目指す方向が明確にされていない部分や、趣味的と感じる楽曲も多く、ハードロック・ファンからすれば捨て曲が多いと眼に映るのが、母国語のVoと並んでCD購入時における最大のネックとなる部分。

そのサウンドが全体的にヘビィで分厚く感じられる部分はGのオーバーダビングによるもので、曲によってはGによるハモリからソロに至るまで正しくGの独壇場といった処。中でもCSN&Yの「オハイオ」をカバー曲として取り上げた部分や、他の曲における随所で放たれるGソロやリフは、そのフレーズやオルガン・ソロも含めてメロディアス且つブルージー。そして北欧における多くのバンド同様、若干クラシカル・テイストを含んだドラマティックなもの。それが故に決して一筋縄では行かないのがこのバンドの最大の特徴で、疾走感溢れるナンバーからミドルテンポのナンバーまで楽曲はバラエティに富んでおり、ごった煮サウンドであっても間違いなく楽しませてくれる事だけは確か。

 

                      

 

現在でもこの激レア・アルバムが容易く入手出来るか否かは判らずにいますが、ここで初めてこのバンド名を耳にされた方は、YOUチューブでも音は拾えると思えますので、一度検索してみたら如何でしょうか。ボーナス曲のクォリティが高かった事が意外でしたが、テクニックに裏付けされたそのサウンドはヘビィでハードなものです。ハードロック・ファンを問わずプログレ・ハード・ファンの方にも充分お薦め出来ると思えます。