ツィン・ギターが奏でる疾走感溢れるサウンドが特長のドイツ産ハードロック /エピタフ | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

EPITAPHはGx2、Ds、Bsの四人から成るドイツで結成されたバンドで、VoはDs以外の三人の奏者が担当している。アルバムは71年から74年までに三枚残しているが、未だ日本盤がリリースされたとは聞いていない、日本ではほぼ無名に近いバンドの一つ。自身は三枚とも輸入LPを購入して聴いていたが、近年になって輸入CDに乗り換えた一人。

ツインGといった事では自ずと英国のW・アッシュのサウンドに近いものと想像出来ようが、二人のG奏者によって導かれるサウンドはやはり抒情的でドラマティック、それにGフレーズや歌メロにメロディアスな部分が見え隠れするところは共通したもの。ただG音に関してはジャーマン・ロックらしく粘り気を含んだもので、音離れが良く乾いた感のするアッシュにおけるG音とは一味違うヘビィ・サウンド。それに加えてキース・ムーンが如く手数が多く、休まず叩きまくる技巧派Dsのパワフルなプレイや、疾走感溢れる曲が比較的多いのもアッシュとは随分異なる部分で、この部分はやはりバンドにおける独自性といった処。

この三枚のアルバムはほぼ共通した内容となっているが、それが故に少しサウンドがマンネリ化した上に似通った楽曲が多い事を思えば、歌メロを含めた楽曲の完成度が高い事や、Kbも一部の曲に導入されて捨て曲もなく構成された、72年にリリースされた2ndアルバムを個人的には特に推したい。

もちろんこれは各楽器における分離も良く、重心の低いバスドラ音やBs音はボトムがしっかり効いたメリハリ感のあるもので、クリアー且つ歯切れ良いサウンドが他の二枚より録音が優れているといった理由も含むが、、、このアルバムではツィン・Gによるハモリも随所で聴かれるが、この辺りは間違いなくアッシュを意識したサウンド。1stも3rdも決して悪くはないが、自身が楽曲が多彩で充実していると感じられたのは間違いなく2ndアルバム。もちろん好みの問題もあるので、どれが特に優れているとは決して言えないが、、、

 

    72年2nd        71年1st       74年3rd 

 

           

 

この三枚のアルバムは現在でも充分通販で入手可能だとは思いますが、恐らくYOUチューブでも音源は拾えると思えますので、ここでバンド名を初めて耳にされた方は、是非一度そちらで音を確かめられた上で購入される事をお薦めします。ただ最初に一枚だけ購入するという事であれば、間違いなく2ndアルバムがお薦めと言う事になりますが、アッシュが好きと言ったハードロック・リスナーの方々の期待を裏切る様な事はまずないと思えます。