カナダのギタリストが奏でるメロディアスなハード・ロック /ウォルター・ロッシ | ハードロックは我が人生そのもの

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70年代のハードロックはバンドによる個性もあって、独特なサウンドを創り出しています。その中で特に印象に残ったバンド、あるいはこれだけは是非聴いて欲しいと思えたアルバムを、これから随時紹介していきたいと思います。

WALTER ROSSI、この名に聞き覚えのある方は間違いなくハードロック・マニアと呼べる人達と思えるが、ソロデビューする前はカナダ出身のチャーリー(75年リリース)というトリオ編成のバンドを率いていたG兼Vo。このアルバムは76年に国内でもリリースされており、発売と同時に直ぐに購入した記憶があるが、内容はチャーリーの楽曲を更に洗練した馴染み易いもので、オリジナル曲に限ればどれもメロディアスなものである。個人的にはCHARLEE(チャーリー)と比べれば録音が良いだけで、同レベルにあるバンドだと思っているが、つまりこのバンドはチャーリーの二作目と捉えた方が聴き易いのである。

その中で特に印象に残った曲がR・ブキャナンの「メシア」を思い起こさせる美し過ぎるバラード調のインスト・ナンバーで、他にも名曲と呼ぶに相応しい起承転結の妙の感じられるバラードはあるものの、どの楽曲もほぼGが支配したメロディアスなハード・チューン、その中で定番ともいえるブルース・ナンバーのカバー「ゴーイング・ダウン」や「ロック・ミィ・ベイビー」は意外な選曲とも言えるが、このハード・ロック的アレンジも秀逸。忘れてはならないのがW・ロッシのVoとしての資質で、ロック・シンガーとしての歌唱力も秀でており正に圧倒的存在感。もちろんギタリストの資質は言うまでもないが、そのGサウンド自体もGソロもリフも素晴らしいの一言!

他のバンド・メンバーもそつなく楽曲をこなしたもので、このリズム隊におけるDs音やBs音の良さは、明らかにテクニックが裏付けとなるプロ集団のそれ。とにかくどっしりとしたサウンドはバンドの重厚感を一手に支えている。恐らく録音に携わったエンジニアの質も反映されているとは思うが、、、

 

                 76年ソロ

 

ここで先に触れた国内では未だリリースされていない、75年にリリースされたチャーリーのアルバムも同時に紹介しておきたいが、どちらも甲乙付け難いもので曲の完成度はほぼ同等、ただし楽曲の多彩さやオリジナリティの高さにおいてはチャーリーといった処で、少しキャッチーな楽曲もメロディアスなバラードも、ハード・ロックとしてのツボを心得たもので見事!アルバム中に捨て曲がほとんどない事も、W・ロッシの作曲センスを窺わせるもので、爽快感の感じられる気持ちのいいハードロック・アルバムといった処か、飽きを来させず通して聴けるのもアルバムとしての魅力。

 

           チャーリー75年作

 

このW・ロッシが残した二枚のアルバムの中で、チャーリー名義の1stはアナログ盤としては中々手に入り難いものと思えますが、CDならソロ・アルバム同様、通販でも充分手に入るとは思えます。ただどちらも既に廃盤となっている事が予想される事から、実際の取引価格までは判り兼ねますが、どちらにしてもハード・ロック・ファンの方々には、是非コレクションの一つに加えて頂きたい、お薦め出来る二枚といった事は確かです。