私は、中学校の頃からビールを飲んでいた。

父が飲めというまま、素直に飲んでいたと思う。

とはいえ、美味しいと思って飲んでいたのではなかった。

苦くて不味い・・・(今は甘くて飲めない)

 

ビールより、どちらかと言うと、日本酒の方が好きだった。

お銚子の香りと甘さが良かったのだと思う。

父の後輩が、お呼ばれで我が家へ来た折は、

お相伴として、キッチンで少しずつ口にしていた。

母もそれを黙って容認した。

 

18歳、大学で学ぶため上京。

入学当時から、歓迎会やコンパで、

お酒を飲むのは当たり前であった。

だから、「飲酒は20歳から」というような規則は形がい化していた。

というより、社会が認めていたのだと思う。

 

父は、私に無理やり飲ませたというよりも、

将来、本格的にお酒を飲むようになって、失態を演じないよう、

十分な配慮をしていたのだと思う。

これは、親から子への、当然の社会勉強である。

親の責任の下に、お酒を飲むわけだから、

大きな声で口外しない限り、問題は無いはずだ。

 

その流れは、私の娘へも受け継がれた。

高校生になった塗炭、機会があるごとに酒を勧めた。

多少飲んでも、良い気持ちになるだけで、

悪酔いする事がないのを確認し、ほっとしたものだ。

 

高校1年を終え、日本の高校を退学し、イギリスの学校へ編入した。

この移転先の高校は、数少ない女子高であった。

月に1~2回、金曜の夜は、

学校主宰でダンスパーティーが開かれる。

娘から、「ダンスパーティー用の服を買うのでお金が必要だ」

と言われたときは、ちょっとビックリした。

 

周辺の高校から、正装をした男子高校生がやって来る。

学校側で、何とワインやビールを用意してくれる。

それを皆で飲みながら、パーティーは盛り上がっていく。

このお酒の費用は、授業料の中に入っていたのだろう

 

イギリスは、16歳から飲酒できる。

親の管理下では、もっと若くして飲み始めるようだ。

若くして始めることによる利点を鑑みての事だろう。

 

娘を高校2年でイギリスへ送り出して、

高1から、お酒をたしなませておいて良かったと、

胸を撫で下ろしたのを、昨日のように思い出す。

 

マレーシアでも、お呼ばれで、知人宅を訪問すると、

高校生がお酒を飲んでいるな。

どういう規則・習慣になっているのだろうか。

 

いずれにせよ、

昨今の「飲酒」に関するニュースを見るに、

日本は、いよいよ、生きづらくなったと思う。