米長期金利は、昨年10月に、5%でピークを付け

今年に入ってからは、4%~4.7%で推移し、

最近は、4.2%付近で弱含んでおり、

今後は更なる低下が見込まれている。

 

一方日本の長期金利は、

年初の0.6%から、直近1.1%に上昇し、

(1年前から比べると、0.3%台から1.1%への上昇)

今後も更なる上昇が見込まれている。

 

これを見れば、日米金利差は、明らかに縮小している。

にも拘らず、多くの識者やマスコミは、

今だに、「昨今の円安は、日米金利差が・・・」

と相変わらず叫んでいる。

 

「日米金利差が為替に影響を与える」のは正しい。

しかし、どの程度の影響を与えているかが問題だ。

この半年、日米金利差が1%を超えて縮小しているにも拘らず、

円安は現在進行形だ。

金利差だけに固執している識者は、思慮が足りないと言わざるを得ない。

 

しかし、最近になって、

このところの円安は、

「金利差ではなく、日本の経済力を表している」

という論調が散見されるようになった。

少なくとも、日経をよく読むと訳が分からなくなると言われる「日経」においては、

円安の原因は、「日本経済の凋落が各国に理解されるようになったから」

のような趣旨の記事を、月に何度も目にするようになって来た。

うむうむ、日経もまともな事を書くようになったな・・・

というのが私の感想だ。

(ただし、相変わらず「金利差」にのみスポットを当てている記事もある)

 

2024.7.6「大機小機」

「市場が見据えているのは、かつて力強く成長した日本が衰えていき、

 先進国から脱落する姿かもしれない (中略)

 止まらない円安の動きは、衰退する日本経済の先行きを映している鏡

 のように見えて来る」

 

日本の財務省及び日銀は、円安をみて、

「投機筋の影響」とばかり繰り返す。

能が無いのは甚だしいが、

為政者にとっては、こう言わざるを得ないのだろう。

本当のことを言ったら、円安が一気に進む。

問題はいつまでウソをつき続けられるか・・・だろう。