東京に住んでいる時には、一年中食べていたもの、

それが、「くさや」と「明日葉」。

伊豆諸島にクライアントが多数あったおかげで、

これらレアで美味な食べ物を覚えた。

 

月に一度、島に渡っていたので、

その度に、くさや5枚ほど買って来ていた。

大型のムロアジなので、家族三人=一匹で十分。

焼くと、強烈なにおいを発するが、

幸い、隣近所からは苦情は出ず。

それで、四六時中食べることを得た。

 

東京広しといえども、くさやを出す居酒屋はほんの僅かだ。

都庁があった東京と有楽町、それと、伊豆七島への玄関口の浜松町、

この周辺には、今でもくさやを出しているところが残っている。

(都庁職員は、伊豆諸島にある東京都の支庁に勤務する人が少なくない)

ただ、くさやは、島・生産者によって、くさや汁の味が異なり、

また、ムロアジ、シーラ、トビウオ・・・等、使う魚も異なる。

更に、匂いがきついから、真空パックが主流で、

新聞紙に包んだ本生のものは少ない。

 

そんなわけで、美味しいくさやは、

本生を自分で買って来て、自分で焼くに限る・・・

という具合で、家飲み専門だった。

 

マレーシアでも食べたいな・・・と常に思っていたが、

こればかりは我儘が過ぎるというもの。

臭過ぎて無理だろう。

これまで10年超、我慢に我慢を重ねて来た。

 

先日、野菜や果物を輸入してもらう時に、

「くさやなんか輸入できないよね」

と、ぽろっと漏らしたら、

「真空パックのものなら・・・聞いてみますよ・・・」

 

そして、「輸入できます」の返事をもらう。

天を舞うほどの喜びに浸った。

それなら、くさやの相棒「明日葉」も輸入してもらおう。

そして届いた明日葉は、何と、なんと、三宅島産。

それも、私の元クライアントが作ったものだった。

懐かしいな~元気でやっているのだな・・・

 

くさやは、焼いて噛んで噛んでひたす噛み潰す酒の肴だが、

わざと少し余らせておく。

細かくちぎって、茹でた明日葉を細かく切り、

マヨネーズを少し垂らし、七味唐辛子と混ぜて頂く。

これがまた旨いんだな。

この食べ方は、30年以上前に、

八丈島の居酒屋「梁山泊」の主人に教わった。

大将は元気かな~

 

さて、明日は焼けるかな?

隣人はアメリカ人だ。

エアコンが嫌いな家族で、いつでも扉を開け放っている。

うちのキッチンと、開け放されているリビングが極めて近い。

この隣人が特に問題だ。

お向かいさんのイギリス人は、友人なので何とかなる。

はす向かいのフランス人は・・・知らんぷりを決め込もう。

 

夕立前の、風が強く吹き始める時がベストだな。

そんなにうまい具合に行くかな?

「食べたい時」と「焼ける時」のタイミングが難しい。