日本を引き払う時、

冬場に日本へ来た時の為にと、冬物の服をキープした。

そのため、月1万円を払ってトランクルームを借りている。

 

今年1月に、一週間日本に滞在したが、

捨てずにとっておいた服にはほとんど手を付けず、

短期間だからという事で、

ユニクロのインナー、ダウンで、何とかやり過ごした。

 

こうなってみると、コストをかけてとってあるものは利用される見込みはなく、

言ってみれば、ゴミのようなものだ。

そのために、毎月コストをかけるのは如何なものかと思い、

トランクルーム解約を前提に、整理をすることにした。

 

思い切って、皆捨ててしまえと、ゴミ袋に投げ込んでいたが、

大島紬で作った着物が出てきてしまい、

ゴミ袋への手が止まってしまった。

母親が、大金をかけて、私のために作ってくれたものだ。

とはいえ、常夏のマレーシアで着ることは考えられないし、

たとえ日本であっても、着ることはあるまい。

着物に合わせる小物や、履物、何よりも着方

そして、着た後のクリーニング等を考えると、着ようとする欲求は沸くまい。

とはいえ、捨てる勇気は、今はない。

 

トランクルームは空っぽにしたが、

着物だけは、サービスドアパートメントに持ち帰り、

マレーシアへ帰るスーツケースの中に納まる勢いだ。

マレーシアで、その着物にカビが生えたり、変色したりすれば、

捨てる口実にはなろう。

下駄だけは使えそうだ。

マレーシアで甚平を時々着るので、それに合わせよう。

 

海外に移るため、多くの柵を断ち切ってはきたが、

着物一つとっても、なかなか難しいものだと痛感している。

ただし、友人関係を断ち切るのは簡単だった。

日本へ旅行に来たとき、こちらから連絡しなければ、会う事は無い。

こんな状況が三年も続けば、

好むと好まざるとに関わらず、友人関係は自然消滅する。

ちょっと寂しい気もするが、

今の自分にとっては、これで良いのだと思う。