この感動をあなたにも | Slow Life に あこがれて

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里山での Slow な暮らしを綴る 写真ブログ

最近は仕事の前後が薄暗く
ワンコの散歩写真が厳しくなりました。


そこで今日の記事はデスクワークで

先日の月食の連続写真

これを考察するという
きわめてマニアックな記事になります。


まずこの写真
よかった点は、すべての月が適正露出合格点ということ
(自分基準ですが)

実は昨年の部分月食も同じような写真を撮っています。
2021年11月19日

他にねらいたいものがあったために、完璧に機械任せで放置。
そのため、露出オーバーで月がにじんで大きく写っています。
6時30分付近の4~5枚は完璧にアウトです。

機械任せ??
実はこのインターバルタイマーが、5分おきに自動でシャッターを切ってくれるのです。

純正品は数万しますが、

こちらは互換機で1.890円
そのときの露出は絞り優先(F値4)のオート設定にしていました。
やはり機械任せはだめですね。
それでも無理矢理36枚の写真を比較明合成してできあがったのがこれというわけ。

比較明合成??
SiriusComp 64 というフリーソフトを使っています。
もちろん無料ソフトです。
前の写真に比べ、明るく写っている部分だけを写し込んでいってくれるというソフトです。

今回の写真で説明してみます
先ずは1枚目の写真がこちら
6時5分の満月です

1/320秒 F4
本当は月の下に山があるのですがこのシャッタースピードでは露出不足で写りません。
あくまでも明るい満月が適正露出になるように露出を設定しているのです。
これをオートで写すと山は写るが、月はにじんで、でっかいボールのように写ります。
スマホで月食を撮ったが、全部ぼやけた満月に写ったという失敗はオート任せが原因。

そして4個目の月 6時15分
食が始まって6分後の写真です

こちらも1/320秒 F4
この明るい月の部分だけが合成されていきます。

15個目の月 皆既に入りかけた7時20分

1/2秒 F4

月が暗いので、露出時間がかなり長くなっています。

山の上の鉄塔に灯りが写るようになりました。


今回は、自動撮影された後、適正露出かどうかを確認ました。
適正でない場合はシャッター速度を変えて、手動で数枚撮っておいたのです。
 
そして8時 皆既に入った月です

1.6秒 F4
この頃は、自動撮影の直後に、適正露出を求めて、手動で3~4枚は撮っています

28枚目 最後の月

こちらも 1.6秒 F4

こうやって、5分おき、28枚の写真が手に入りました。

この28枚は、一番適正露出のものを選んでいます。


後は至って簡単
SiriusComp 64が28枚の写真を、あっという間に合成してくれます。

① できあがった合成写真の保存場所を指定します
②、③ 合成する28枚の写真を指定します
「開く」をクリックすると…

 

※全画面モードでご覧ください

 

 

一枚の写真上にこのように明るい月の部分だけが合成されて行きます。


こうしてできあがった写真がこの一枚だったのです。

かかった時間約30秒

明るい星と下の鉄塔の灯りも合成されていますね。
どちらも皆既に入り、露出時間が長くなった頃になって、やっと写り込んでいます。

しかし、気に入らないのは背景です。
里山の風景が写り込んでほしい。

そこで最後の一枚にこちらを追加

月が無く、星も出来るだけ写っていない一枚
もちろん月食の時と同じ我が家から見た東の空です。

写っているのは同じ鉄塔です。

28+1枚の合成の様子をご覧ください。
最後の一枚は瞬き厳禁です

 

※全画面モードでご覧ください

 


こうやってできあがった今年の皆既月食(前半)がこちら

私としては里山の雰囲気も出て、お気に入りの一枚となりました。

この手法を使うとよく見るこんな写真も簡単にできあがってしまうのです。

同じく東の空を昇っていくオリオン座です

ただしこちらの合成は数時間にわたり、数百枚の写真を完全自動撮影

一枚露出20秒でバッテリーの持つ限り連続撮影する場合が多いです。

 

朝起きて合成作業するといった感じです


実は私もブログを通してこの手法を教えてもらったのです。
そのときの感動は今でも新鮮によみがえってきます。
衝撃的でした

というのも、実は中学生の頃から父親のカメラを借りて
月食の連続写真を撮っていました。
オリンパスペンFT

借用画像


50年前に一眼レフを持っていた父も、今から思えばすごいなと思います。

当時は

一枚のネガの上に何枚も写真を重ねて撮影していく

多重露出という手法

を使っていました。

今回で言うと28枚の写真を

一枚のネガの上に重ねて撮影していくのです。

こちらは大学の頃購入したフィルムカメラの愛器です


底には巻き戻しボタンがあり、これを押した状態で巻き上げると、
フィルムはそのまま動かないで、シャッターが切れる状態になります。

こうやって28枚を同じ一枚のネガの上に重ねて撮影していくのです。

と言うことは、1枚でも失敗すると、すべての写真がボツになると言うこと。
最後の一枚ですべての苦労が水の泡と言う経験もあります。
たとえば車のヘッドライトの光が一瞬入って、数時間の努力がパーになったと言うこともありました。

それから思うとこの比較明合成は、失敗しても、直後のよい写真に差し替えることが出来るのですから、本当に助かります。

いろんな思いがあって、今回の写真は感慨深い一枚となりました。

どなたかこの世界に足を踏み込んでみませんか。

人生ちょっと変わるかもしれませんよ

三脚と、露出がマニュアル設定できるカメラと、

2000円弱のタイマー付きリモコンがあればチャレンジできますよ。

 

ちなみに私のデジイチ
Wズームキットで5万円でした。
酔っぱらってついポチってしまった平凡なデジイチです。

 

 

まずは満月の昇る様子からチャレンジしてみてはどうでしょう。

露出は、1/250~1/350

絞りはF4ぐらい

 

固定でまったくの自動撮影でOKです



この感動をだれかに伝えたくて、

あまりにマニアックな記事になってしまいましたがお許しください。