毎朝、散歩の途中で、必ず足を止めてしまう桜坂。
甘い、ジャスミンのようなにおいに、ついここで足が止まるのです。
その発信源がこちら
桜の木を覆い隠さんばかりの勢いのテイカカズラ
においだけでなく、純白でプロペラのような形をした花にも惹かれます。
そこでもう一度詳しくこの花について調べてみました。
学名:Trachelospermum asiaticum
和名:テイカカズラ(定家葛)
科名 / 属名:キョウチクトウ科 / テイカカズラ属
開花期:5月中旬~6月中旬
花言葉:依存、栄誉、優雅、優美な女性。
白い花は甘く香り、さわやかなジャスミンのようだと評する人もいます。
咲き進むとクリーム色になります。
ほらね、わたしの鼻は正常だった!
茎から気根(きこん)とよばれる地上に現れる根を出して他のものに巻き付く蔓性植物。
テイカカズラの変異種に、葉が美しい斑入のハツユキカズラ(初雪蔓)やゴシキカズラ(五色蔓)などがあります。
テイカカズラの枝や葉を傷つけると中から白の液体が出てきます。
これに触れてしまうとかぶれてしまう。また誤って口にしてしまったりすると嘔吐や麻痺を引き起こしてしまいます。取り扱いの際は十分が必要。
一番気になってた、花の名の由来は、
テイカカズラは平安時代の歌人、藤原定家の名前が由来といわれています。
藤原定家が恋心をもっていた後白河帝の第三皇女、式子内親王。しかし、その恋は実らず彼女は先に亡くなってしまいます。定家は彼女の死後にも執着し、その後彼もなくなってしまいます。するとそんな藤原定家の墓から蔦葛(ツタカズラ)が伸び、式子内親王のお墓にまとわりつき始めました。それはとても強くまとわりつき、墓を覆ってしまうほどだったそう。
クヌギの木にまとわりついて、木を覆い隠してる。
この花は藤原定家の思いが宿った花だ、と呼ばれるようになります。
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そういった理由から、「テイカカズラ(定家葛)」と名付けられたといわれているんですね。
なんとも悲しいようで、ロマンチックなようで、でもちょっと怖いお話でもありますね。
花の名前の由来を調べてみて、こんな逸話があるとわかると、この花の印象もまた違ってきますね。
白い曼殊沙華 なんとなく、もの悲しげな花です。
以下は Wikipedia より引用
人物的には、気性が激しく、折り紙付きの強情な性格。反面、若い頃から病弱で、定家の日記には「心神不快」とか「心神迷惑」とか「心神常に違乱」のような言葉が随所に出てきており、精神的なもろさをもっていた。「美の使徒」、「美の鬼」、「歌聖」、「日本最初の近代詩人」などと呼ばれ、美への執念は晩年まで衰えることはなく、繊細な神経で夢の世界を馳せ、その天性によって
唯美的な夢の文学を完成した。
また、こんな評価も見つけた。
凡そ定家の歌は、どれ一つとして、官能美という眼をもたないものはない。 つよい阿片性・麻薬性があって、人を麻痺、昏酔させる毒性をもつこと、あまりにつよい性欲性・獣性があって、人を頽廃・好婬に誘わずにおかないこと
歴史上人物の人間性にちょっと興味がわいてきませんか。
HP[やまとうた」より引用
夜もすがら月にうれへてねをぞ泣く命にむかふ物思ふとて
【通釈】一晩中、月に訴えて、声あげて泣くのだ。命に逆らう恋に悩んでいるといって。
白玉の緒絶の橋の名もつらしくだけておつる袖の涙に
【通釈】緒が絶えるという「緒絶の橋」の名を思い出すのも辛い。あの人との仲が絶えぬかと憂え、真珠の緒が絶ち切れたように砕け落ちる、私の袖の涙を見るにつけて。
この花が強く人を引き付ける理由は、甘い香りだけではなかったのです。