異国の地、それもタトゥー率が高すぎるエリアでこの夜泊まるところが決まっていないのはやや不安ではあった。
初日だけ日本で予約する手も考えたが、やはりそれではどこか腰抜け感が拭えない。
(そのまま最終日までその宿に連泊するという事態にもなりかねない)
まず訪ねたのはNAT2という日本人バックパッカーが多いと聞くゲストハウス。
裏通りを進むと間もなく見えてきた。
通じているのか通じていないのかわからない英会話を繰り広げ、とりあえずファンのみの部屋(つまりエアコンなし)なら空いてるが、エアコンのある部屋はいっぱいだということは理解できた。
ファンでも大丈夫だよ!としきりにおばちゃんは言ってくるが、さすがにこの暑さでエアコンなしは辛い。
何せこんなに暑い夜中というものを僕らは知らない。
次を探す。
カオサン通りのど真ん中にサイアム・オリエンタル・インという宿がある。
前を通ると呼び込みが激しい。
いざ奥へ進むと、部屋のタイプ等を聞かれる。
通りの呼び込みとは一転して愛想のカケラもない。
本当にビックリするほど対応が良くなかったので他を当たろうかと思ったが、体力も限界にきていたし、エアコン部屋も空きがある。ここに決めよう。
二人部屋ツインベッドで確か400バーツぐらいだった。
なので一人600円程度。シャワーもエアコンもついてこれなら万事OK。
と、約束の料金を払ったのに宿主が何やら言ってくる。
“モア500バーツ”
・・・!?
追加で500バーツ払えだと!?
お得意のノーノーノー!!と突き返すと、
何やら様子がおかしい。
よくよく聞くと、デポジットで500バーツ払う必要があるらしい。
つまりチェックアウトの時に返ってくるということだ。
それでも半信半疑、しかしデポジットと書かれた領収書みたいなものもくれたので大丈夫かと払う。
結果、大丈夫だったので警戒しすぎだったわけです(^▽^;)
部屋に向かう途中の廊下には仏がいます。さすが仏教国だけあります。

部屋は冒頭に貼った感じです。
日本では味わえないほどの堅いベッド、汚い床、半分壊れてるエアコン・・・。
トイレにはシャワーらしきものが付いているが、どうやら手動式ウォシュレットということらしい。
(使いこなすのは難しいが、勢いがあって意外とクセになる笑)
ようやく腰を下ろしてホッとした時、事件は起こった。
“バックパックが開かない!!(((( ;°Д°))))”
日本の100均で買ったワイヤーロックをバックパックのチャックに付けていたのだが、開くはずの暗証番号で反応しない・・・。このままでは荷物のほとんどが使えない。
幸いにして3ケタ。999通り試せばどうにかなる。
ただ、途中から“これはワイヤーロック自体が壊れていて正しい暗証番号になっても反応しないのではないか”という疑惑が浮上した。一度そう思ってしまうと試す気力は消え失せる。
ええい!こうなればここはカオサンだ!
屋台のいかつい兄ちゃんに何かしらの工具で切ってもらおう。
いくらかチップ払えばやってくるだろう。
しかしその前にこの憎きワイヤーロックをねじってねじってねじりまくる。
“ポキッ”
何とも呆気ない音と共に驚きと嬉しさが押し寄せた、狂喜乱舞。
そして5秒後に襲ってきた100均への不信感(笑)
今こうして文章にすると大した話ではないが、その場では随分と凹み困惑したのです。
夜にタイに着いたというのに随分と濃い一日だった。
カオサンに響く欧米人たちの声と低音の効いた音楽が窓から飛び込んでくる。
暑い。ベッドは堅い。
しかし目にみえない疲労はそれらを凌駕する。
何とも刺激的で情けないカオサンデビューの日を眠った。
***
オマケ写真は屋台でパッタイ売りの美女。まだあどけなさの残る。
麺の種類まで選ぶ必要がある。意外と本格的。
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