【人を楽しませる心理学】大道芸のリアクションに県民性はあるか | 京都の大道芸人・笑いと健康講演講師 たっきゅうさんの新公式ブログ「芸人魂背負ってます」

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京都を中心に全国で活動中の大道芸人であり、笑いと健康に関する講演講師でもある「たっきゅうさん」の公式ブログです。

笑いを通じて、人と人との繋がりを実感し、
QOLの向上をはかることをモットーに、
介護施設や小児病棟を訪問しています。

久々に大道芸について考察する投稿をしてみたいと思います。今日考えてみたいのは、

 

「大道芸のリアクションに県民性はあるか」

 

という問題です。

 

僕の考えを結論から言うと、県民性は存在しないと思っています。

 

大道芸人同士でよく「〇〇県の人はノリが悪い」という話になることがあります。普段やっているところと別の都道府県を訪問して、いつも通りのリアクションがないとそう言いたくなる気持ちはよくわかります。関西や東海でやっていると、ある県の人はノリが悪いという話に良くなります。ただ、それは県民性と言った人の気質に起因するのではなく、もっと別のところに要因があると思います。

 

その場所にお客さんがどんな目的で来ているのか、それから大道芸を鑑賞する経験が多いか少ないか、そちらの方が大きな要因だと思います。例えば、観光目的で訪れていて割と時間にゆとりがある場所であったり、地域の集会などのアトラクションが行われる場所なら、大道芸をゆっくり楽しもうという気持ちが芽生え、ノリが良くなる傾向になります。大道芸の鑑賞の経験の有無も大きな要因です。大道芸をあまり見ることが少ない人が多い場所では、お客さんがどのようにリアクションしたらわからない場合も多くなります。そういう意味では日常的に大道芸を見る機会の多い大都市圏と農村部では若干の傾向の違いは出るかもしれません。

 

ですので、県民性よりもまず上記の要因を考慮する必要があります。そして要因に基づいて、自分のやり方を修正する必要があると思っています。例えば僕の場合、普段はあまり直接的に「拍手をお願いします」という表現だけを使うのは上手なやり方ではないと考えていて、リアクションがなかったことに対してツッコミを入れることで笑いにする場面を入れたりしています。ですが、大道芸を見たことがない人が多い場合はそのやり方だとお客さんが戸惑ってしまうので、あえて直接的な表現を多用するなどして修正しています。

 

大道芸人が県民性のせいにしてしまうと実りがないし、その県の人もいい気分にならないと思うので、結局自分の対応力を上げた方がいいんだろうなと思う次第です。これは自分に対する戒めです。