再び投稿しますが、今日は国立長寿医療研究センターのホームページから引用したこのグラフの話題です。
高齢者の主観的な幸福感は、男性は配偶者がいる方が高いが、女性は配偶者がいてもいなくても変わらないということがこのグラフから読み取れます。
このグラフは、女性にとっては旦那が家にいるのはストレスだというシニカルな解釈も可能ですが、最近より妥当な解釈があるのではないかという気がしてきました。どういうことかというと、地域の住民との繋がりの差が反映しているのではないかということです。
男性の場合、主要な人間関係は職場によって形成されますので、定年後に地域の方との結びつきが弱く、話し相手が妻しかいないというケースも多々あります。なので、理解者である妻がいなくなってしまうと幸福感が大きく下がってしまう恐れがあります。「生涯健康脳」という本では、同様の理由で妻に先立たれた男性の寿命が縮まることへの懸念が示されています。一方で女性は地域の人との交流が多く、なにかを相談する相手が旦那だけではないので、旦那がいなくても男性ほどには幸福感が下がらない。これが妥当な解釈だと僕は思っています。
このように考えると、男性のウェルビーイングにとって大切なのは、若い時から地域行事に参加して地域との交流を持っておくことです。すでに高齢期をむかえている人もいるでしょうから、そのような人が外に出て地域の人と交流できる機会を設けることも必要です。行政はこのようなことにもっと積極的に取り組んでもよいのではないかと思います。