犬の感染症には無防備な状態で感染すると命に関わるものや、重篤な後遺症が残る病気があります。

ワンちゃんを家族に迎えたお家では「ワクチン接種」といった言葉は一度は聞いたことがあると思いますが、あまりに種類が多く、何を接種したら良いの??

と悩まれることもあると思います。

今回は当院での「混合ワクチン」の考え方をお伝えします。

 

Ⅰ)混合ワクチンの種類

Ⅱ)結局、何種類を接種するの?

Ⅲ)病気を持っている、老齢犬はどうしたらいいの?

Ⅳ)まとめ

 

 

Ⅰ)混合ワクチンの種類

 

種類を数で分類すると、1種、3種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種などメーカーにより種類があります。

こんなにあると、どれがいいのか??

少ないとなんか心配?

多いと良さそうだけど、なんかデメリットはないの?

なんてことが頭をよぎると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・詳しくは「ワクチンの副作用」

 

 まず、混合ワクチンを考える場合

 最低限接種が必要と考えられるワクチン・・・・「コアワクチン」

 犬の環境に合わせて使用するワクチン・・・・・「ノンコアワクチン」

この組み合わせで考えます。

 

コアワクチンをベースに、その地域で感染の危険のある感染症をノンコアワクチンでカバーする必要があります。

杓子定規に5種ワクチン・・・といった考え方は、せっかくワクチン接種で愛犬を感染症から守ろうとしているのに、実はしっかりとした予防ができず、ワンちゃんに可哀想な思いをさせてしまう可能性があります。

その地域の感染状況を把握している動物病院で相談しましょう。

 

 「コアワクチン」で予防できる病気

①   ジステンパーウイルス感染症

②   アデノウイルス1型感染症(伝染性肝炎)

③   アデノウイルス2型感染症(犬伝染性咽頭気管炎)

④   パルボウイルス感染症

・狂犬病

(狂犬病に関しては、別に狂犬病ワクチンとして接種が必要)

 

 「ノンコアワクチン」で予防できる病気

⑤   パラインフルエンザ感染症

⑥   コロナウイルス感染症

⑦   レプトスピラ感染症コペンハーゲニー型(黄疸出血型)

⑧   レプトスピラ感染症カニコーラ型

⑨   レプトスピラ感染症ヘブドマディス型

⑩   レプトスピラ感染症オータムナリス型

⑪   レプトスピラ感染症オーストラリス型

 

Ⅱ)結局、何種類を接種するの?

 

当院では、昨年にレプトスピラ感染症の患者さんを診察しております。

そのことを踏まえ、

この地域ではレプトスピラ感染の汚染地域と考え、基本的には最低8種以上のワクチン接種を推奨しております。

 

Ⅲ)病気を持っている、老齢犬はどうしたらいいの?

 

当院では、「年齢が何歳以上なので、ワクチン接種はしません」といった考え方はしておりません。

シニア犬になっても、毎日元気に散歩して、他のワンちゃんと公園で遊んだり、ご家族とキャンプに行ったりと活動的に生活しているワンちゃんが多い昨今、年齢による線引きは、せっかくそれまで感染症対策をしていた愛犬を無防備な状態にして、感染リスクを高めてしまいます。

ただし、

ワクチン接種後アナフィラキシーショックを経験していたり、

脳炎等、ワクチン接種により治療している病気が悪化する可能性のあるワンちゃんなど、予防するリスクが存在することも確かです。

最終的には、担当獣医師とよく相談していただき、メリットデメリットをよく理解し、納得していただいた上でワクチン接種を行なっていきます。

 

何らかの理由によりワクチン接種がためらわれる場合、「ワクチン抗体価検査」により、感染症の予防する力を検査してワクチン接種時期を相談しています。

 

Ⅳ)まとめ

感染すると命に関わったり、重篤な後遺症を残してしまう感染症は、まだまだ短に潜んでいます。生活環境での発生状況をきちんと把握し、必要なワクチン接種を行うことで、愛犬を感染症から守ることにつながります。

また、地域の皆さんがしっかりとワクチン接種をすることで、その地域からそれらの感染症を無くす事にもつながります。

楽しいペットライフを送っていただくためにも、しっかりとしたワクチン接種を行なってあげてください。