子犬はいつも元気に走り回って、見ているだけで癒され、元気をもらえる存在です。
しかし、実は病気から体を守る力である免疫力に関しては、十分に発達しておらず、ある意味とても弱い存在でもあります。
そのためにも、しっかりと感染症に対する免疫力をつけるためにワクチン接種はかかせません。
今回は、子犬のワクチン接種に、当院の考えをお伝えします。
Ⅰ)子犬のワクチン接種の必要な理由
Ⅱ)子犬のワクチン接種の回数
Ⅲ)ブースター効果とは
Ⅳ)まとめ
Ⅰ)子犬のワクチン接種の必要な理由
子犬は母犬から胎盤や初乳を飲むことで、一旦は母犬の持つ免疫力を獲得します。
母子免疫とか移行抗体を獲得する、などと言われるものです。
しかし、この感染症から体を守る力(移行抗体)は生後4ヶ月くらいまでに徐々に低下していき、最終的には無くなっていきます。
その母犬から獲得した免疫力が徐々になくなる時期に、ワクチン接種を行い、子犬自身で免疫力(抗体)を獲得してもらう必要があります。
本来であれば、免疫を獲得するには病気に感染する必要があるのですが、そのために病気にかかるのはリスクが高すぎます。その代わりにワクチン接種を行うのです。
ワクチンには病気が発症しない程度に弱めた病原体や、死滅させた病原体の一部を含ませて、それらを接種することにより子犬がそれらの病気から体を守る抗体を産生します。
仮にその後それらの感染症に接触しても、体内にある抗体が病原体を攻撃して、病気の発症を抑えたり、症状を軽くすることができます。
Ⅱ)子犬のワクチン接種の回数
最初に、ワクチン接種回数は、それぞれの個体により回数が異なります。
隣の子犬と我が家の子犬は動物病院に行く前のワクチン接種歴が違うので、同じにはならないことをまず理解してください。
動物病院に向かう時には、ペットショップやブリーダーからもらっている、今までのワクチン接種歴のわかる証明書や健康チェック表があれば持参し、それを元に獣医師と今後のワクチンや予防のスケジュールを立てましょう。
当院では
・母犬からの初乳によって獲得していた病気を予防する力(母子免疫)が薄れてくる生後6〜8週目に1回目のコアワクチン接種
・その後免疫を確実なものにするために生後4ヶ月まで1ヶ月おきにワクチンの追加接種(計2回)を行う「3回接種」を推奨しています。
・また2回目以降の追加接種のワクチンについては、コアワクチン+ノンコアワクチンを推奨しています。
上記の流れが基本的なワクチン接種の流れになりますが、中にはペットショップにて複数回にわたり予備ワクチンやコアワクチンの接種を受けている子犬が見られます。
その場合は、動物病院でコアワクチン+ノンコアワクチンの接種を2回(つまり4回以上の接種)必要になります。(ブースター効果でしっかりと感染予防を行います)
・・・・・・・・・・・・・詳しくは「混合ワクチンって何種を接種するの?」
「子犬の混合ワクチンの接種回数は?」
「コアワクチン」
「ノンコアワクチン」
「レプトスピラ病って?」
Ⅲ)ブースター効果とは
1度目のワクチン接種により体内で作られた病気を守る免疫力を、再度ワクチン接種することにより「1+1=2以上」の免疫力を獲得ことを意味します。
当院では「3回接種」を推奨していることを記載しましたが、これは2回目以降がコアワクチン+ノンコアワクチンを2度接種している場合に関して当てはまります。
ペットショップ等でコアワクチンを複数回接種していても、子犬が生活する環境でコアワクチンでは予防できない感染症の危険がある場合(当院の地域ではレプトスピラ感染症が発生しています)、動物病院に行ってコアワクチン+ノンコアワクチンの接種を1度してもノンコアワクチンで予防できる感染症に対する免疫力が十分に獲得できていない場合があります。
そのために、動物病院で必要なワクチンを2度接種する必要があります。
Ⅳ)まとめ
何回接種するかは、その子犬のワクチン接種歴により違ってきます。
隣の子犬と我が家の子犬は状況が違うことをよく理解し、担当獣医師と相談して、しっかりとワクチンプログラムを立ててください。
家族として迎えた愛犬が感染症で苦しむのはとても辛いことです。
予防できる疾患に関しては、しっかりと予防して、安心して野外で楽しく過ごしたいものです。そのためにもワクチン接種の必要性を理解し、大切な家族を守ってください。
