A mid the war? 森さんの発言に思ったこと。 | 昆布ジャム YokotaNoo konbu ( Peace@table)

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(一社)日本昆布協会 2015年度昆布大使山中陽子が北海道のおいしい昆布で昆布のジャムを作りました。

森さんの、「ロシアが負けるとは思えない」の発言。



森さんの考える、「負ける」のイメージがちがうのではないかな。

第二次世界大戦の日本の敗戦のように、モスクワが陥落して、ロシア主要都市が焼け野原、みたいなことには当然ならないだろう。そんなことはたぶんだれも目指してない。核戦争も困るし。そういう、なにもかと焼き尽くされ、壊されて丸裸になって無条件降伏なんていう「負け」はないだろう。
また、ドンバス地方、あるいはクリミア半島のほとんどをウクライナに奪回されても、「特殊軍事作戦」の「中止」、ロシア軍の「撤退」で、そういう意味でもロシアは決して「負けない」と思う。

考えられる、本当の「ロシアの敗北」はその後の内政による崩壊、自滅というかたちになるのではないかと思っている。

私は今の状況を終わらすためにプーチンの失脚を望むけど、それはすぐには難しそう。それにプーチンが失脚しても、すぐウクライナ進攻が終わるとは限らない。側近にはもっと強硬路線の人がいるそうなので、もしかしたらもっと強権独裁者がでてきて対ウクライナ戦完遂を目指そうとするかもしれない。

たぶんこのままでは、プーチンはウクライナ全土を占領するまで、あるいは、今占領したところをウクライナが諦めない限り戦いをやめないだろう(その後再度ウクライナ全土の占領を目指す)。そしてウクライナはクリミアとドンバスを諦めることはしないだろう。

ウクライナがドンバスとクリミアを諦めて、停戦、した方がよい(プーチンは、ウクライナが戦うから戦ってる、風なことを言っている)のでは、ということはたぶんプーチンの野心(大ロシア主義、ロシア帝国最大版図をロシアとする)を見てしまったウクライナやヨーロッパにはなかなか受け入れがたいように思う。

現時点でウクライナが割譲を受け入れてロシアが撤退してヨーロッパが安堵、というのは、まさにナチスドイツのズデーデン地方の割譲から、チェコスロバキアを解体から、それらをミュンヘン会議で容認して戦いが欧州に広がるのを(一瞬)防いだ(でもヒトラーの野心はその後本領を発揮した)イギリスの宥和政策の轍を踏むことになるのでは?という危機感がどうしてもぬぐえない。

もし、ここでウクライナが東側領土を諦めて一旦停戦、を飲むとしたら、その後プーチン的ロシアを解体して、今回ロシアが進攻して占領の後に持っていかれた領土をウクライナに戻し、旧ソ連領の国境の線引きは1991年に確定する、というその後の戦いをNATO、西側陣営が保証する、という密約が必要かも、と妄想している。

しかしながら、その場合どんな戦略をたてれば良いのか?
領土的成功に強気のプーチン=ロシアとの戦いを再度するなら、今度はエネルギーやダイヤモンドをたてにとられないように、まずロシアに頼らない体制を整えてからでないと。まるで、日露戦争のために八幡製鐵所をたてて10年待った明治政府のように。
しかし、現代社会の変化の速さでは、一旦停戦したときに対ロシアの気持ちを維持するのも大変なら、相手に余裕を与えることにもなるのでリスクがある。
核戦争を回避しつつ、何もかも、同時に進行させねばならないのは厄介だが、それはロシアにとっても同じだと思えば、ここで手打ちをするのが良いか悪いか。
アメリカ、ヨーロッパは手を緩めず、という方向に行くようである。

日本はそれを理解しつつどうするのか?

ウクライナにこんなに入れ込んでいいのか?という森さんの懸念もわからなくもない。それは、ロシアが負けないから、ではなくて、勝つまでやめないからだ。

どちらも我慢が必要だ。

そして、プーチン=ロシアと、ロシア国民を同一視していいのか?ということもある。
その辺り、ロシアとの関係を構築するのに力を尽くしてきた、森さんや鈴木宗男は、知り合いも多いだろうし言いたいところではあろう、とは思う。がしかし、彼らもプーチンにしたがってて、なかなか内部からの声にはならないようだ。
1945年じゃあるまいし、このSNSの時代においても、通信を掌握して、プロパガンダを流せることに恐怖する。逆に、フェイクもプロパガンダも今だからこそ流布しやすくスピードも速いのかもしれない。独裁政権下でどれだけの情報を得られるか、情報を得たとしても今の体制下で戦争反対の判断渡航どうが起こせるものなのかは疑問である。ただここは、まだ全面戦争になっていないのだから、戦争をやめたい、と思う国民に反撃のチャンスがあれば言いなと思う。
政府、というか、プーチンが、戦争を望まない、領土的野心を持たない一般のロシア国民にこの戦いをどう説明しているのか。その、正当性というか、国民も自分達を騙し、あえて騙されようとしている戦争の大儀をどう崩していくか、を考えなくてはならない。

というところで日本はどうするか?
とりあえず、ロシアに押さえられてエネルギー不足になって、電気もガスも足りなくて、節電、節エネルギーをしつつ原発再開?自国の小規模、津々浦々の地域の発電施設を開設?いくら米あまりといっていてもそれは小麦が入ってきてるからだと思うと、食料自給率もあげとかなきゃならないだろう。食料増産にも電気や肥料や飼料が必要だ。日本的な労働集約農業をするには人手が足りない。輸入大国日本なのだから、何より船舶航空、流通の安全も確保しておかねばならない・・・。

しばらくは不自由になっていくかもしれないね。
私たちも戦時なんだなーというソフトな危機感くらいは抱いとかなきゃな、と思うのだった。