よくYouTubeで、色んなディズニー映画考察チャンネルを視聴する。

その中でも、ディズニーヴィランズに関する解釈は人それぞれでかなり面白いものがある。

しかし筆者は、ゴーテルを擁護する意見が多いことに納得ができないのだ。もう許せないので、筆者のヴィランズに対する解釈を書かせて頂きたい。

ただ意見を改めろと強制しているわけでは絶対にないので、別解程度に読んでいただければ幸いである。


​ヴィランズへの解釈

キャラクターによって、同情できてしまう場合と全く同情できない場合の2種類にわけられると思う。その内訳について少しずつ書いていこうと思う。


・同情してしまう、可哀想なヴィランズ

ディズニーヴィランズには、割と可哀想に感じてしまうキャラクターも多い。

そんなキャラクターたちの中で、恐らく最も可哀想なのはフック船長ではなかろうか。

部下にも恵まれず、常に食い殺される危機に怯えながら生きるのはかなり辛かろう。


Mr.スミーが無能すぎることや、チクタクワニの恐怖に震え続けなくてはならないこと。彼は悪い海賊かもしれないが、あまりにも不幸を背負いすぎだ。

しかも、チクタクワニに襲われることになったきっかけはピーターパンが「遊びで、冗談のつもり」という無邪気で恐ろしい理由で船長の片手を切り落としワニに食わせたからだ。

挙げ句の果て、私はタラですと言わされ子どもたちにも「フックはタラ♪」と歌われる。こんな屈辱もなかなか無い。もはやピーターパンになんとか一泡吹かせてくれと思ってしまうまである(ピーターパン推しの方々に心から謝罪しながら)。

しかし、子供のピーターパンに敵わないところもフック船長の憎めない点なのだと筆者は思う。


そしてもう一人、可哀想なヴィランズが。それは、『ヘラクレス』に出てくる冥界の王ハデス様である。

▲冥界の王なのに、この扱いは酷い。ほぼ社畜だろう…


動画を視聴していると、意外と彼を嫌う人が多いことに驚いた。コメントなどにも、ハデスは嫌いだと書く人が案外いて筆者は悲しくなった。

でも聞いてほしい。ハデスは上界で神様たちがどんちゃん騒ぎしている間も働き、「オイ働きすぎだぞwww」と仕事を渡してきた張本人にイジられてもなお冥界の王として働いているのだ。

これで部下が有能ならまだ救われるのに、やっぱり部下は無能なのである。つまりほぼワンオペ。そりゃひねくれたって仕方ないはずだ。


本編はここではないので、今回は簡単にあまりにも可哀想なふたりについて書かせて頂いたが、もちろん他にも同情の余地があるキャラクターはいる。

万年トップ2として無能王の下で働かされていたジャファー様や、群れの端に追いやられていたスカー様、契約内容を説明したのに破られた挙句殺されてしまったアースラ様なども含まれるだろう。

彼らは確かに悪役だが、ひねくれてしまう理由もわからなくはない。



それでは次に、筆者がゴーテルをどうしても許せない話をしていこう。


・ゴーテルに母親としての愛はない

ゴーテルを擁護する方々の意見として「ラプンツェルを大事にしていた」「ラプンツェルがいい子に育っているから、母親としてはよかった」「ラプンツェルはゴーテルが落ちるとき手を伸ばした」というものがある。それについて、仰りたいことは筆者もよくわかる。しかし、忘れてはならないのはゴーテルの目的が「魔法」であること。つまりラプンツェルが持つ魔法の髪だけが彼女の目的なのだ。

言い方は悪いが、金の卵を産むガチョウに餌をやらないわけがないのである。

絵の具を買いにわざわざ出ていくのも、ラプンツェルが自分に依存するように洗脳し塔から出さないための戦略であると筆者は思う。

ゴーテルが愛しているのは、自分に若さを与えてくれる魔法だけ。その魔法を持つのがたまたま一国のお姫様だったというだけなのだ。

ここまでの筆者の意見をかんたんにまとめると、

・ラプンツェルを大事にしてた家畜に餌をやるのと同じ。魔法の髪のために大事にした「ふり」をしただけのこと。

・母親としてはよかったそりゃ虐待すればもっと早く逃げようとするはずだ。依存させて塔の中に居続けさせようとするほうが楽だからそうしただけ。

・ラプンツェルは手を伸ばしてた→そりゃ彼女は愛されてきたと思ったかもしれないし、そこからくる行動だったかもしれない。でも、ゴーテルの本心は魔法さえあればそれでいいのだ。

だから筆者はゴーテルという女を許せない。


そもそも動機が身勝手なのである。

「自分が若く美しくいたい」というあまりにも自分勝手な理由で、一人の女の子の人生をめちゃくちゃにしてしまった。

確かにいつまでも美しくいたいというのはわからなくもないのだが、筆者は必ずしも肌にシワがないことを美しいと呼ぶのではないと思う。必ず「年相応の美しさ」はあるのだから。

同じ例として、白雪姫に登場する女王も挙げられる。

彼女は自分が一番美しくあるために、白雪姫を殺そうと目論むほどの悪女だ。しかし、何故か女王を好きな人は多いだろう。筆者も何故か好きだ。

その理由はおそらく、「鏡が気を遣えばいいのに」の一言だからだと思う(たぶん)。あと絶対に鏡の好みが白雪姫なだけで女王が一番美しいと思ってる人もいるはずだ。

話がそれたが、ゴーテルは本当に最低な女だと筆者は思ってしまう。『塔の上のラプンツェル』初見ですでに大嫌いなので、この先もきっと揺るがず大嫌いだ。


・ガストンってどう?

悪いやつながら擁護派が多いガストン。確かに野獣の恐ろしい姿を見たら、誰しも人間に危害を加えると思ってしまうだろう。それに野獣も、わがままで乱暴な王子であった過去がある。要は、正義のぶつかり合いになってしまったわけだ。

しかしガストンはベルの内面を見ようとせず、ベルの気持ちも考えずに求婚していた。あの自己肯定感の高さは見習いたいが、やはり自分中心で世界が回ってると思っていそうなあの感じは好き嫌いが分かれそうだ。

個人的には嫌い寄りのグレーゾーン。



・おわりに
ゴーテルが擁護されることが多い理由はよくわかるし、確かにラプンツェルを育てるうちに彼女を愛するようになった線も捨てきれない。
でも、本当に愛しているなら、それこそ自分の若さを保つことよりラプンツェルを本当の家族のもとへ帰そうとしないだろうか。
実写版『マレフィセント』においてマレフィセントが自分でオーロラにかけた呪いを解こうとしたみたいに、正しい選択をしようと行動しないだろうか。そういうところも引っかかるから、筆者はゴーテルを好きになることができなかった。

さて、ここまでお付き合いくださったすべての方に心から感謝申し上げたい。
筆者の拙い考察が、少しでも読んでくださった方に新しい視点を提供することができたなら幸いである。