闘魂外交(アントニオ猪木さん) | 神奈川県会議員滝田孝徳オフィシャルブログ「ノーブレス・オブリージュ」Powered by Ameba

闘魂外交(アントニオ猪木さん)

神奈川県議会議員の滝田こうとくです。


一冊の本を読みました↓
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多くの皆様は政治家に対して官僚的な頭脳明晰さを求めているのかもしれない。


国家経営を司る官僚はそれこそ緻密かつ鋭利な頭脳明晰さが必要であると思う。
また、実際に日本の官僚の皆様は極めて有能。


しかし、それと同様の資質『だけ』を政治家の第1資質として求めるのはいささか違うような気がしてならない、
とこの本を読んでみて改めて思う。


もちろん、官僚的な目から鼻に抜ける頭脳明晰さはあるに越した事はない。


しかし、
国民代表である政治家は民意を反映させる意味でもいわゆる学業秀才的な頭脳明晰さだけで選ぶ必要は全くない。


猪木さんで言えば、
この本の中でも学業は不得意と書いてあるので、それとは違う感性の良さという意味での頭の良さを強くもっていらっしゃるのだろう。


政治家というか、現職議員は、
天才的な頭脳明晰な人、頭脳明晰とはまるで程遠い、しかし別の分野で一芸に秀でている人やスポーツ選手やタレント、フリーター、引きこもりだった方々、
光り輝くところが何一つないただのおじさんやおばさんや、男女問わずただの学生の方々や営業マンや技術者などなど、
社会を構成する人々が多様であるように、光り輝くキャリアの持ち主だけでなく様々な経験を持った多様な人材がいた方がいい。


政治家はあくまで国民代表だ。
その人材供給は社会の多様性と同様に様々であるべきだし、政治に様々な声や視点を反映させるためにもその方がはるかに健在だ。


同じようなバックグラウンドを持つ人だけが政治に参画する、参画できないのは長期的には政治が偏ると確信している。


アントニオ猪木さん。
僕が小学生時代に憧れた押しも押されもせぬヒーローである。


それを割り引いたとしても、
政治的実績だけみても『政治家アントニオ猪木』さんは国会議員として十分に足跡を残してきた方である。



猪木さんが初めて選挙に出た時、
プロレスラーが国会議員かと随分と叩かれた節もあったが、猪木さんこそ、自分の歩んできた道を政治の世界で生かしきっている政治家だと思う。


モハメド・アリと戦った世界的な知名度を生かし闘魂外交で世界を駆け回る、その一部分がこの本に書かれている



大政党に所属するわけでもないのに、
自分一人で道を見つけ、体当たりで猪木的価値観と猪木的国益意識で外交を展開する。


これはこれで大したものだし、
その行動の良し悪しと善悪評価は別として実行力・行動力には見習うべきものがある。


振り返れば、
かつての湾岸戦争直前には単身イラクに乗り込み現地にて『平和の祭典』を開き、その事をキッカケにして日本人を解放させるという誰にもできない実績を出してしまう。


この事はイラクと交渉せずだったと記憶する当時の日本政府の方針とは違うし、
私自身も日本政府の方針は正しいと思うので猪木さんの行動については賛同できるものではないとは思う。


しかし、政府の責任を問われないやり方で日本人を解放させるという結果を出すのは凄いし、これぞ議員外交だと敬服はする。



ちなみに、
猪木さん自身も『もし、自分が自民党所属の議員なら絶対にやらない』と語ってます。


あくまでも、政府の一員でもなく、与党の一員でもない、ただの一議員だからこそできたし、仮に失敗しても日本政府としては『政府方針でなく、一議員が勝手にやった事』と言えばいいと公言しています。


日本政府が立場上絶対にできない事を一議員として、いや、一議員だからこそやりきり結果をだす。
これは政治家としての一つのモデルともいえるだろう。


政治家は行動する事によって現実を動かす事が求められる。


そして、結果が全て。

いい動機でも、結果がダメならダメ。
これが政治の鉄則。


見ているだけ、評論するだけでは、ダメ。
よき結果を出すべく、行動する。


行動できない政治家はダメだと改めて痛感した一冊でした。