大学の選び方 | 神奈川県会議員滝田孝徳オフィシャルブログ「ノーブレス・オブリージュ」Powered by Ameba

大学の選び方

街頭活動をしていると、ずっとこちらを見つめる男子高校生の方がいた。



真面目な顔でこちらを見ているが話を聞いている感じはしない。

話が終わるのを待っているようにも見えた。


たぶん、こちらに伝えたい『何か』があるのだろう。

と判断しマイクを置いた。



すると、やはり待っていたかのようにこちらに歩いてきてくれた。




現在高校2年生。

『来年文系の大学を受験するが、どの大学を選んでいいか迷っている』と言う。

そして、『何かアドバイスを頂きたい』と真剣な表情でこちらを見つめる。



・・・・

保護者の方のご意向もあるかと思う。

それを考えずに勝手な事を言うわけにもいかない。



『自分の行きたい大学、勉強したい学部を志望すればいいと思います。そして、親御さんともよく相談した方がいいと思います。』

と答えた。



『ありきたりの答え』にがっかりしたようだった。

だぶん、多くの方に同じような答えをもらっているのだろう。



そして、特に勉強したい学部もない。将来志望する道も特に決まってないと言う。


面識もない、おそらく『ポスターぐらい』でしか見たことがない地方議員である私に相談をしてくる。

相当悩んでの事だろう。



『勝手な事をいうな!』とお怒りになる保護者の顔と答えを求める目の前の真剣な顔。



・・・・

『目の前の真剣な顔』

をとる事とし自分の経験に照らし合わせて踏み込んで答える事にした。



ブログと言う『公共の場』で書くべき話ではないかもしれないが、『理系の大学』や『弁護士等の難関資格や官僚』を目指す方以外の多くの方々にとって(全部ではない、多くの方々だ。)大学は勉強だけのところではない。



『勉強だけのところではない』とは『公共の場』だから気を遣った表現をしただけである。



良し悪しは別として日本の大学はそういうところだ。

私だって『本当によく学び、本当に良く遊んだ。』




話を戻す。



『入学して一番間違いないのは東京大学です』

と話した。



言うまでもない。

ここに入学できれば日本では一生困ることはない。

官庁のように『東大』が当たり前の世界はあるが、社会全体で見れば圧倒的に数は少ない。

日本社会における水戸黄門の『印籠』であり、電車で言えば『リニアモーターカー』級の切符だ。



仮に酔っ払ってどんなに失態をさらしても、あの人は『東大だ!』と囁かれ、ただの酔っ払いとは違って一目を置かれる。



東大に入学する事によって、スーパーエリートとして生涯にわたって尊敬を受ける権利を手に入れることができるのだ。



・・・

高校生の顔色が曇った。

『東大』は想定外らしかった。



そして、次は『三田』と『都の西北』の名前を挙げてみた。

両校とも素晴らしい大学だ。



・・・

ここも違うらしい。



そこで、選択する方法について2点話をした。



第一番目は『OBが多い大学を選ぶ』事を勧めた。

これは言うまでもない、社会に出るとちょっとしたきっかけが仕事につながることがあり、同じ大学であるというだけで目を掛け、引き上げていただくチャンスが増える。

『OBが多い』と言うことはそれだけでチャンスを得る可能性が広くなる。

大学や学部にこだわりがないなら、『OBが多い大学』を選択した方がいいと伝えた。



2番目は理由を言わず『都心にキャンパスがある大学』を選ぶのを勧めた。

そして、これは意外に『重要な要素』だから譲らない方がいいかもしれないと付け加えた。



・・・・

大学が勉強だけでない事は先に述べたとおりだ。



だったら、都心の方が楽しい生活を送れる。

最先端の遊び場だってほとんどが都心にできる。

また、そこでバイトをしたりする事も可能だ。



二十歳を過ぎればお酒も解禁。

勉強の谷間に渋谷・青山・六本木・新宿好きなところに繰り出せばいい。

人に迷惑をかけなければ、朝まで飲み歩いたっていいのだ。



大学が都心なら効率よく遊べる。

真面目な保護者の方には怒られるかもしれないが、大学時代は勉強はもちろんとしても大いに遊ぶべきだと思う。

有り余る時間を生かし、お金のない中で工夫をしながら友人達と徹底的に遊び歩く事を推奨する。



今、かざらずに本音で話ができる友人の多くは、その頃同じ時間を過ごした人達だ。その人間関係は、立場で付き合うことが多い社会人では中々得られない関係だ。



自分の大学生活を振り返ったって、本当に徹底的に遊んだ。



まさに石原裕次郎。

『我が人生に悔いはなし』だ。



平日夜は渋谷。

バーとスペイン坂にあったスポーツをテーマとしたレストランを2日~3日に分け掛け持ちし深夜までバイト。

バイトが終われば『朝一で学校なんで無理です~。』とか言いながら、結局は断らない。そこで知り合った人達とみんなで街へと繰り出す。



もとからあまり寝ない方だが、始発で帰宅し一時間寝て八王子のキャンパスへと向かう。講義は好きだったから真面目に聞く。

睡眠は通学時間とバイトに向かう電車の中と講義の谷間。

それでも大丈夫だった。



週末。

当時流行だったファッション、『バイト代を貯めて買ったラルフローレンのダブルの紺ブレ』に一着しかないとっておきの『ブルックス・ブラザーズのピンクのボタンダウンシャツ』にマドラスチェックのスラックス。



シャツは当然第二ボタンまで開ける。



夏場なら海で日焼け。

今、写真を見ると本当に黒い。



そして、赤か蛍光色の『強く派手な色』のラコステかフレッドペリーのポロシャツにホワイトジーンズ。

ポロの襟は当然立てる。(今となっては襟を立てる人は見かけないが・・・)

仕上げは『エゴイスト』。

強くなり過ぎないように軽くプッシュ。



お金がない中、渋谷センター街の地下にあるつぼ八か千歳会館へ。

約束しなくたって、何件か回れば必ず誰かがそこにいる。

持ち合わせがない時だって心配は要らない。バイト代が入った奴が必ずいて一人前に『ここは俺に任せろ』などど言って多めに出してくれる。

『時には驕り、時には奢られ』持ちつ持たれつ楽しく過ごす。


2軒目はカラオケ。お金がないときはパルコ近くの地下にある『HUB』

給料日後は、3軒目として青山に合った『シーズバー』が定番コース。


気候が良ければ、246号から自由通り又は旧山手通りから目黒・駒沢通りを使い渋谷から自宅のある新丸子まで歩いて帰宅。



やりたいことは全てやりつくした。

遊びに関しては思い残すことはない。

もう一度やり直せたとしても、同じ時間を過ごすだろう。



サラリーマン時代・秘書時代、寝ないで脇目を振らず徹底的に仕事をした。

サラリーマン時代の同僚からは『何で休みもしないで、マシーンのように仕事をするのか?』とよく聞かれたぐらいだ。



あまり遊ぶ気になれなかったのだが、それはたぶん、大学時代に『よく遊んだから』だろう。



・・・・

高校生。

『OBが多くいる大学』という観点には少し納得がいったようだった。

しかし、『都心にキャンパスがある大学』に関しては理由を言わなかったので『腑に落ちない顔』をされ去っていかれた。



帰宅後、真剣な眼差しを思い出しもう少し丁寧に説明すればよかったかと反省をした。



その場で話せなかった『都心にキャンパスがある大学』を選ぶ理由をここに書きました。



受験まであと一年あります。

大学では『華』の部分もとても大事です。



じっくりと考えながらより良い学校を選んでください。

ご両親や先生方友人にも相談しづらい事がありましたら、独りで悩まずに連絡を下さいね。



来春、見事志望校に合格することを祈ってます。



神奈川県議会議員 滝田 孝徳 (中原区)