(4)鳩山由紀夫代議士
『来週、鳩山に会ってもらうかもしれません。』その言葉通り次の日に連絡が来た。
指定された日、記憶に間違いがなければ次の月曜日の午前中、11時ぐらいだったと思う。場所は前回と同じ永田町の民主党本部を指定された。
結果がどうなるかわからないが、この日の面会の事は仕事のフォローを頼んだ関係もあり会社の親しい同僚には一応伝えておいた。
しかし、政治には全く関心がないらしく『鳩山由紀夫って肥っているほうだっけ?』などとのたまう。
それは『鳩山邦夫』だ。
などと否定をするのも面倒なので笑いながら『違うよ』と答えた。
すると、『兄じゃなくて弟の方に会うのか?』とまたまた力の抜ける事を言う。
『類は友を呼ぶ』と言うが政治に関しては違うらしい。非常に勉強になった。
しかし、あっちこっちで間違った事を吹聴されても困るので一応の口止めと『兄弟逆。面会するのはスマートな方で兄。鳩山由紀夫だよ。』と訂正した。
友人は、最後まで『俺には肥った方が兄貴に見える』など、どうでもいい事をブツブツ言っていた。
念のため、約束の1時間前には到着をしていた。
時間調整のため近隣を歩くと正面に国会議事堂が見える場所にたどりついた。
季節外れの強い日差しを確認したくなり思わず空を見上げた。
真夏のような入道雲。
会社で言えば前回は役員面接、今日が社長面接。
通常なら大きなミスをしなければ通り抜けられるはずだ。
人は後から振り返った時、あの瞬間が『人生のターニングポイント』だったとわかる時があるという。
今の自分がそこにいるのがよくわかった。
あとわずかで、長くても数十分の立ち振る舞いで人生が大きく変わる。
国会議事堂の伝統を感じさせるたたずまいがなぜか身近に思えた事を今でも覚えている。
定刻のジャスト15分前、前回お目にかかった鳩山由紀夫秘書兼民主党本部事務局長である『聖徳太子の後継者』を訪ねた。
『何度もこちらに足を運んで頂きすみません』と話すと、いきなり奥の部屋に向かって歩いていく。
今日も長時間待つつもりだったが、どうやらそうではないらしい。
濃い茶色のドアの前につくと『聖徳太子の後継者』は静かにノックをした。
『どうぞ。』どっかで聞き覚えのある声。
間違いなくTVで聞いた『鳩山由紀夫』の声だ。
『聖徳太子の後継者』はドアを開けると先に私に入室するように促した。
すると!!
次回に続く・・・
神奈川県議会議員 滝田孝徳