監督:三宅伸行
脚本:敦賀 零・三宅伸行
企画・原案:鈴木均
配給:東映ビデオ
 

 70歳、年の差コンビが描く心温まるヒューマンドラマ。「乃木坂46」で活躍する17歳の岩本蓮加と2022年で芸能生活68周年を迎える大ベテラン俳優・宝田明がW主演を務める。二人は“終活アドバイザー”として『終活屋』で働き、様々な境遇の人たちの終活を手伝う。“桜の季節”と“終活”をテーマに、70歳もの年の差コンビが描き出す、心温まるヒューマンドラマ。

 


 

 終活アドバイザーのバイトをしている不登校の女子高生・咲(岩本蓮加〈乃木坂46〉)は、一緒に働く老紳士・敬三(宝田明)と共に、様々な境遇の人々の「終活」の手助けをしていく。咲は危険と隣り合わせの職業で、万が一のために家族に遺書を残そうとする者や余命わずかで思い出を残そうとする者たちに寄り添って「終活」のお手伝いをする日々を送っていた。そんな最中、咲の担任でかつて国語教師であった南雲は生徒からのイジメに遭い、教師をやめ自暴自棄の生活をしていた。咲はひきこもりの彼女の様子を見に度々家を訪れ、様子をうかがっていた。一方で、イジメの張本人の女子生徒を待ち伏せして自分の気持ちをぶつけたりもするが、彼女の中のやるせない気持ちは消えることはなかった。自身も不登校で行き場を求めている咲に、敬三は病気で老い先短い妻(吉行和子)とかつて見た桜の下での思い出を語る。咲は敬三たち夫婦を励まそうと、敬三がかつて見たという桜の木を探しに出かけるのだが・・・。(映画『世の中にたえて桜のなかりせば』公式サイトより)
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 U-NEXTで映画を観ました。2022年4月に公開された映画ですが、主演の宝田明さんは、公開直前に亡くなられたため、遺作となった映画です。乃木坂46の岩本蓮加さんの演技も上手く、心温まる映画です。「終活」がテーマとなっているのですが、そもそも「終活」とは何でしょうか?「人生の終わりのための活動」あるいは「人生の終わりに向けた活動」と言われ、「人生の総括を行い、人生の最期を迎えるにあたっていろいろな準備を行うこと」「介護のこと、保険のこと、お墓のこと、葬儀・お葬式のことなど死ぬ前の準備」と言う人もあれば、「これからの人生をよりよく生きるために、一旦自分の人生を整理すること」と言う人もいます。でも私は「終活」はないと思っています。なぜなら、私たちは明日の命さえわからないからです。それはすべての人間に言えることであって、例外はありません。ならば、準備をしたり整理をしたりするものではないでしょう。今日を精一杯生きる。それこそが私たちにできることでしょう。この映画の題名に「桜」という言葉が使われているのですが、「終活」とどう関係があるのかと思っていました。映画の題名は、古今和歌集に出てくる在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)の短歌「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」に由来するようですが、意味としては「もしも世の中にまったく桜がなかったなら、春を過ごす人の心はどれだけのどかでしょうね。」ということだそうです。桜がなかったら、「いつ咲くか」「いつ散るか」と思い煩うことがないということだと思いますが、桜が咲くから感動しますよね、生きる喜びを感じますよね。私たちの人生も同じです。折しも桜の咲く季節です。家内と二人歩いて、桜見物。「今年も桜が観れて感謝だね!!」と言いながら歩いています。



(長岡市柿川の桜)

 

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。(テサロニケ人への手紙第一5章16~18節)