死者名義への相続登記 住民票も戸籍の附票も取れない場合どうするの?
高島平・西台・蓮根の司法書士瀧本事務所です✨
前回の記事で、下の図のような例で相続登記は2件に分けて申請する必要があると書きました
次の2件の登記申請が必要
①父から母・子へ所有権移転登記
②母から子へ持分全部移転登記
1件目にお母さんの名義を入れるのですが、お母さんは相続登記申請時には亡くなっていますよね
登記申請時に亡くなっていても、お父さんの死亡時には生きていて相続人だった場合は問題なくお母さんの名義に相続登記することができます
しかしお母さんの名義を入れる場合に、時々困ることがあります
登記って、例えばその不動産の所有者が誰か?を登録しておくものですが、情報としては
住所と氏名が載っています
ですので相続登記をするときにも、新しく名義人になる人の住所と氏名が分かる書類を提出しなければなりません
住所が分かる書類というと
住民票や戸籍の附票
がありますよね
でもね、最近まではこれらの書類って
死亡してから5年間しか役所で取得できなかったんですよ
5年を経過すると保存期間満了ということで廃棄されてしまい、取ることができなくなってしまっていたのです(現在は保存期間が大幅に延長されているため、ここ数年の間になくなった方については取れなくなる心配はなくなりました)
ということはですよ
こんな場合お母さんが亡くなってから5年以上が経ってしまっているため、お母さんの住所が分かる書類は取れません
お母さんの名義を入れようにも住民票(正確には住民票の除票といいます)や戸籍の附票(住所を証明する書類のことをまとめて住所証明書といいます)が取れないため、お母さんの住所が証明できず、登記ができないのか
という疑問が出てきてしまいます
住所証明書が取れない場合、死者名義の相続登記はできないのか?
これ、相続登記の義務化スタートによって昔の相続が掘り起こされる結果、それなりに増える事案なのではないかと思っているのですが、
結論をいうと
本籍地を住所として登記することが可能です
住所証明書が取れない場合でも死者名義への相続登記はできますのでご安心を
本人を特定するために、住所で特定できないなら本籍地で特定すればいいじゃない
ということで、この取り扱いが認められています
(今までこの取り扱いをしていない法務局に当たったことがないので、もし登記できなかったよ、という方は後学のために教えていただけると嬉しいです)
住所を空欄にしたり相続人からの自己申告の住所にするよりは全然マシですし
本人の特定も十分だろう、ということだと思います
実際にご依頼を受ける際、私はいつもこのような事情を説明したうえで、
「今回お母さんの住所は本籍地で登記されることになるので、後で登記簿見たときにびっくりしないでくださいね」
と言うようにしています
本籍地と住所が全然違う人が多いですからね
ずっと東京に住んでいたのに、登記簿を見たら全然違う住所になってたらびっくりしちゃいます
住所を証明する書類(住所証明書)が保存期間満了により取れない場合
本籍地を住所として登記することが可能
亡くなった方の名義を入れる必要がある場合に時々ある困った事例をご紹介しました
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