NHKにて2000年3月28日から2005年12月28日まで放映された『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』という番組があった。
戦後高度成長期において日本企業が世界を席巻した頃に、多くの企業ブランドの陰に隠れて、現場において無名で活躍した人達を取上げたドキュメンタリー映像である。
中島みゆきは、その主題歌の作詞作曲を担当した。
「地上の星」は、そのオープニングテーマとして、「ヘッドライト・テールライト」はエンディングテーマとして起用された。
「プロジェクトX」は、われわれもその一員という感慨から多くの人達の共感を得たが、主題歌「地上の星」と「ヘッドライト・テールライト」もドキュメンタリー趣旨を体現して当時から人気が高かった。
時代は変わって、現代においては、あの頃の企業と従業員が一体となった熱気は感じられなくなり、隔世の感がある。
中島みゆきは われわれの時代の歌姫であり、なお現在も第一戦で活躍している。
私も彼女のファンであり、好きな曲も多い。
そして、今では、「地上の星」よりも「ヘッドライト・テールライト」に対する共感の方がますます高くなってきている。
語り継ぐ人もなく
吹きすさぶ風の中へ
紛れ散らばる星の名は
忘れられても
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
足跡は 降る雨と
降る時の中へ消えて
称える歌は
英雄のために過ぎても
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
行く先を照らすのは
まだ咲かぬ見果てぬ夢
遥か後ろを照らすのは
あどけない夢
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
渋滞に巻き込まれて疲れ果てて夜間運転していても、フロントガラスから眺める闇夜に浮かぶ赤いテイルライトが連なっている様は美しく、どこからか中島みゆきの声がわれわれに聞こえてくるような気がしないであろうか。