寒邪 | Happy すこやか life

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これから寒くなる邪気「寒邪」についてまとめてみました。




寒は冬季の主気です。気温が比較的低い冬季、あるいは気温が急激に降下した時に保温に注意しないと容易に寒邪に感受します。この他、冬以外でも雨に寝れたり、水の中を歩いたり、あるいは汗をかいた後に風にあたることも寒邪を受ける重要な原因になるので注意が必要です。




寒邪の特徴

1)寒は陰邪で陽気を損傷しやすい



寒邪は陰邪の最も強い邪気で、相対関係にある陽気を著しく傷つけます。外感の寒邪には体表の衛陽を襲う傷寒(しょうかん)臓器の陽気を襲う中寒(ちゅうかん)があります。

傷寒では体表にある衛陽の温煦作用および防衛作用を失調させます。この為、衛気が寒邪を追い出せなくなると悪寒・悪風などの症状が現れますこのような場合には体表にある寒邪を散らす散寒作用のある葛根湯などを使用し、汗とともに寒邪を追い出します。

寒邪が皮毛を通過しないで直接臓腑に影響することを‘中寒’と言います。心陽・脾陽・腎陽などが最も寒邪の影響を受けやすく冷えとともに臓腑機能低下による症状が現れます。例えば寒邪が脾陽に入ると、お腹が冷えて痛む・嘔吐・下痢などの症状が現れることがあります。

長期間に渡って寒邪が停滞し、陽気の損傷が進めば内寒(ないかん)病証に発展することもあります。内寒では中寒のような症状が現れまが、急性ではなく慢性であることが中寒と内寒の違いです。



2)寒は凝滞しやすい

凝滞には凝結・凝集という意味があります。寒いと水が凍るように、寒邪が人体を襲うと気血・津液を凝集して滞らせ、スムーズに流れにくくさせます。切れるような寒さなどと表現することがありますが、寒邪が気血の流れを悪くすると局部や関節に激しい痛みが現れます。これが中医学で言う「通じざれば則ち痛む」という状態であり、痺証といいます。このタイプの痺証は寒邪が原因であることから寒痺(かんぴ)あるいは激しく痛むことから痛痺(つうひ)といいます。




3)寒は収引しやすい

収引には収縮して牽引するという意味があります。


寒邪が人体の表面である肌表を襲うと、腠理・毛穴は収縮して汗がでなくなります。このため衛気は体内にこもるため発熱し、体表は寒邪によって冷えるので、発熱と悪寒が同時に現れます。

この他、寒邪が血脈(血管)に影響すると、血管は収縮して血液の流れが悪くなるので、頭痛・肩こり・チアノーゼなどが現れます。寒邪が経絡・筋脈に留まるとこれらは収縮して硬くなり、四肢が強ばって屈伸しにくくなったり、節々が痛んだりします。

瘀血傾向にある方は普段から血液がドロドロと粘っている上に、寒邪のため血液が凝滞し、血管も収縮して更に血液が流れにくく脳梗塞を起こしやすくなります。特に夜中にトイレに行く時は危険ですから、寝室とトイレを温かくしたり、何かを羽織るなどの工夫をしましょう。