3月21日はひぜんりささんの生誕祭に行ってきた。
ぼくにとっては久しぶりの656広場は、まさに春の陽気あふれる心地よい気候。
キャッチコピーが「佐賀のアイドルりさち―たちと 楽しいライブ おいしいごはん!」ということで、まずはそのおいいしごはんを堪能すべく「お肉の太陽」のキッチンカーに行ってみた。
656広場にキッチンカーが出店することは珍しくないが、この日のメニューは「豚汁 300円、メンチカツ 300円、コロッケ 200円」とかなりリーズナブル。
ライブハウスでドリンク代を取られた経験のある大多数のヲタクにとって、お肉の太陽で豚汁とメンチカツで600円、もしくは豚汁とコロッケで500円という金額は、ワンドリンクを取られたと思えば「実質無料」の金額だった。ぼくは豚汁とメンチカツをいただいたが、ワンドリンクみたいに商品が金額に見合ってないと思わせるようなものではなく、むしろこの値段でこのクオリティは安いと思わせるほどの豚汁とメンチカツで、もうライブが始まる前から満足だった。
毎年、656広場の広いステージを大量のバルーンで飾り付けてくださるひぜんりささんの生誕委員さんは、今年もさらに進化していた。出演者が通る舞台袖からステージへ続く道はバルーンのゲートが設けられ、ステージはLEDライトを使ってまで飾り付けられていたし、「ラブフィッシュ」にちなんだのか、ヘリウムガスの魚の風船も浮かんでいる豪華さだった。
ライブ前には恒例の生誕委員さんとひぜんりささんの記念撮影も行われており、ひぜんりささんとの絆が見えるシーンだった。改めてここの生誕委員さんはすごいな、それもひぜんりささんの人柄が集めているのだろうと感心した。
豪華に生誕委員さんが飾り付けたステージに登場するゲストも豪華で、サガンプロのりゅらちーさんやちゃださん、園田有由美さんの他に、Cutiv、Re:five、藤崎みくりさん、エマジャクソンさん、Crews of camellia。
Re:fiveが、藤崎みくりさんやこの日帯同していた吉川りおさんと更に主役のひぜんりささんまでも共演しての「朝からカツカレー」をやったり、Crews of camelliaが「どんひゃらぴょんで竜宮城でも見れるかな」と期待していたヲタクの心をいい意味で裏切る、以前のもくむつでよくやっていた曲を連発したセットリストだったりと見せ場も多かった。
ひぜんりささんは最初にオープニングアクト的にウエルカムステージをやっていたが、メインでは一部も二部も園田有由美さんのあとに登場するタイムテーブルだった。そのため、この日はひぜんりささんと園田さんが絡む場面も多かった。
二部の冒頭かな、園田さんとMCをしている場面で、ぼくはふっと気になった場面があった。
MCでひぜんりささんが「わたし、最近だーゆんさんと似てきてるんですよ。もっと自分らしい個性を出したいのに」と言われていたのだ。
個人的には、ひぜんりさワールドとも言うべき独特の世界観のオリジナル曲を歌うステージがひぜんりささんの一番の魅力ではあるとぼくは思っている。
ただ、最近のひぜんりささんはもともと園田有由美さんが所属していたピンキースカイの曲を歌うことが増えてきている気がしている。そのためか、ご自身も周りの方も、園田さんにひぜんりささんが似てきているような印象を持つことも増えているのだろうかとふと感じた。
そして、あえて言うならばそれはそれでおもしろいなとぼくは思った。
2017年、ピンキースカイの後輩としてぼくらの前に姿を現したひぜんりささんは、そのピンキースカイとはまた違った個性を爆発させていた。ミュージカルのバックボーンからいわゆるボカロ曲を得意にしていたピンキースカイと違い、アニメ大好きかわいい大好きといった感じのひぜんりささんは、当時から同じ事務所でありながらピンキースカイとは違う個性だったのだ。
あまりにも先輩が偉大なため、その真似をしてもダメで、自分らしさを発揮する。
そのスタイルが気持ちのいいアイドルだったと当時のぼくは、ひぜんりささんに対して思っていた。
そんな個性の持ち主だから、いまさら園田さんに似てきてもその個性は飲み込まれることはないのだけれど、あえて「だーゆんさんに似てきている」という言葉はなんだかおかしかった。
ただ、佐賀のアイドルとして考えれば、それはいいこととも思う。
二年前にもくむつライブのマスターを園田有由美さんから引き継ぎ、かつてピンキースカイが佐賀を代表したように、いまやひぜんりささんは佐賀を代表するアイドルなのである。その伝統を引き継いでいる証で、園田さんに似ていると周りやご本人が感じることが増えられたのなら、それはそれだけ佐賀の伝統を引き継いているということなのだからだ。
そして、まあどこまで「だーゆんさんに似てきている」が本気の言葉だったのかはわからないが、そのあとにしっかり「自分らしい個性を」と付け加えられるところがさすがだなと感じた。
ひぜんりささんにはひぜんりささんらしい個性があり、園田有由美さんには園田有由美さんの個性がある。
個人的にこの日、ぼくが一番目を丸くしたのは、ひぜんりささんと園田有由美さんと海桜さんのサガンプロ三人でカバー曲をやったときのアドリブで入れていた園田さんのスキャットやハーモニーだ。
ちょうど去年の今頃に熊本で本気の園田さんを見せつけるあおたいPライブってのがあったけど、そのときと同じようにやっぱりこの方はとてつもないなあと感じるシーンだった。
そんな、見るたびに新たに圧倒してしまう先輩を持っているひぜんりささんは、その偉大な先輩の陰に隠れない強い個性を見せるために闘ってこられていたと思う。
それがまさにひぜんりささんの個性になっており、だーゆんさんに似てきたと言ってきたけど、やっぱりステージは唯一無二のひぜんりささんらしい時間だった。
そして、その個性もひぜんりささんは着々と進化させている。
この日、それを一番感じたのはアンコール前の最後の曲「セカイのシンパシー」だった。
一年前の生誕祭で、ひぜんりささん自身の体調不良もあって不完全な形でお披露目されたこの曲は、これまでのひぜんりささんのアイドル曲とも、また最近たまにやってくれる「It's a Small World」のようなピンキースカイの曲とも全く違う、あまり佐賀のアイドルでは聴けないエレクトロポップで、この曲をラストに持ってきたというところに、まだまだひぜんりさワールドを進化させようとしているひぜんりささんの心意気をぼくは感じた。
現時点のひぜんりささんでも、ステージをたくさん飾り付けてくれるる生誕委員さんもいる、天草まで遠征に行ってもついてきているファンもいる。
でもそこで満足しないで、まだまだ新たな一面を作り出しチャレンジしているスタイルが素敵だなとぼくは感じた。これでいいではなく、これ以上をいつも模索されている気持ちが伝わるからだ。
暗くなった656広場に、入場時に配られた水色のサイリウムをたくさんのファンが照らしてのアンコールは、一転ひぜんりささんらしいカラフルな楽曲の「ぱちぱれーしょん」だった。
Re:fiveの生誕祭でもお祝いの気持ちをハッピーにしてくれる曲だが、この日はひぜんりささんが自分のために歌うのかと思いきや、イントロから「ありがとう! ありがとう!」と、ゲストやお肉の太陽、そしてフロアのファンに向けて感謝の言葉を投げながらの登場。さすがである。
両サイドからシャボン玉の飛ぶステージで歌っているかと思いきや、「行くね」と一言言ってステージを下りて、サイリウムの光る会場をハイタッチしながら一周する。
それから「今日一瞬だけでも少しでもひぜんりさのことを好きだと思った人、声を聴かせて」と声をかけ、ハミングを促す。ひぜんりささんのために生誕委員さんやファンが作った空間で、ひぜんりささんが躍動して、その場にいる人が参加できるライブを作り上げたすごい瞬間だった。
そしてもう一度ステージに戻ると「歌うの大好き! 踊るの楽しい! みんなといるの最高にしあわせ!」と締めた。
圧巻だった。本来なら、お祝いされる立場の生誕祭の主役が、主役だからこそ会場全体に気持ちをぶつけるその姿。愛が溢れる素晴らしい空間だった。そもそもアイドルというのはプロの歌手でもプロのダンサーでもないけど、愛を与えるプロなんだと再発見させてもらえた。
最近、ぼくの周りでは「#やっぱりぼくはひぜんりさちゃん」というハッシュタグをつけてXに投稿している人もいるが、ぼくは生誕委員さんも含めて、「やっぱりひぜんりさはすごいな」とつくづく見せつけられた生誕祭だった。
