新しい発見がありました。「S Live 20201123」 | 君が好き

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勤労感謝の日である11月23日は日ごろの労働の憂さを晴らすべく、下関シーモールホールでの「S Live 20201123」に行ってきました。
普段アイドルを見るとなると熊本のほうに目が向きがちなぼくにとって、広島、山口、福岡のアイドルが総勢10組も出るイベントは、新しい発見にも多々出会え、非常に楽しかったです。

この日、いちばんの発見は二組目の/NOVAのステージ直後に起こりました。
ステージの袖にはパーテーションは置いてありましたが、ちょうどぼくの席からは、あんまり見ていいものではないかもしれませんが、袖の一部が目に入りました。
演じ終えた/NOVAのKinoさんがステージから降りると振り返ってステージを向いて、深々と頭を下げたのです。
よく野球選手が試合終了後にベンチに戻って荷物をまとめると帰り際にグランドに一礼をするじゃないですか。まさにそんな感じで、時節柄、プロ野球も日本シリーズをやっていたので、この子は野球が好きなのかなとか思って見ていました。
しかし、そのあとに登場したはるみんさんも、そしてCandy Crossの三人も、同じように袖で振り返り、ステージに向かって頭を下げていました。
そこまで来るとさすがのぼくでも気づきます。
この三組はSound R.E.Cの所属です。
そしてSound R.E.Cのアイドルさんはこうやってステージに礼をするのだと知りました。
ステージが神聖な場所とはよく言われます。
同じように野球選手にとってもグラウンドは神聖な場所とよく言われます。その証拠に多くのプロ野球選手はグランドに入るときと、帰るときはグランドに一礼をする選手がほとんどですし、引退したプロ野球選手でもスタジアムで見かけるときはスーツ姿がほとんどです。
その神聖なものに対して、具体的に敬意を表すこのステージへの礼は美しいなと思いました。
また、よく「諸国の秩序は礼に沿って定まる」「礼を実践するか否かは国の存亡に直結」「礼を欠く大国は諸侯の盟主たる資格がない」などといわれますが、こういう「礼」への大切さを大事にしているのは意識が高いなと感じました。

珍しかったのは中物販というものもでした。ちょうどイベント開始から2時間弱、六組のステージが終わったところで、ステージがいったん休憩に入り、中物販になりました。
たとえ、イベントが長時間でも、前物販と終演後物販、もしくは並行物販のイベントしか行ったことがなかったのでこの試みは新鮮でした。
また、ぼくとしては、特にお目当てのグループがないので、のんびりと眺める十組の物販の光景も新鮮でした。
全体を眺めて気づいたのは、ほとんどのグループが交流後にファンを見送るときに立ち上がって見送られていたことでした。中には膝立ちで交流しているヲタクの動作に合わせて、椅子から立ち上がっている猛者もいました。
最初に話したステージへの礼と似たような話で、これは精神論と言われればそれまでの話だと思います。
でも、こういうささやかな気遣いはファンとしてもやってもらったほうが気持ちがいいものでしょう。
そしてこういう小さなことの積み重ねが、結果的にファンにいつかは伝わるのではないでしょうか。
そういえば、全盛期のLinQの物販は、どのメンバーも常に立ち上がって見送っていたなあと昔の記憶を思い出していました。

ステージは全体的にレベルが高かったです。
これは単純にぼくが、普段いくつかのグループしか見ていない浦島太郎なんだろうなとも思いました。
思い返すと、普段見に行っているグループも年々レベルアップしています。
それはもちろんそのグループの成長というのもあるのでしょうが、ローカルアイドルのパフォーマンスの底上げが行われているのも間違いないと感じました。
あと傾向としては、ロックテイストな感じのアイドルが増えたなと。これはカバー曲の定番が「初恋サイダー」から「星が瞬く夜に」に変わったことによるパラダイムシフトがシーンで起こっているからではないかと考えました。

出演アイドルも十組もいるとバラエティに富んでました。
赤いセーラー服に昭和チックな腕章をつけたロックアイドルのmozがトップバッターでした。2019年の11月22日デビューで、ほぼデビュー一周年のステージだったみたいですが、長身の安里さんがメロディアスに歌い上げる曲は迫力満点でした。
この次に登場したのが/NOVA。このmozから/NOVAという出演順というのは、この日のイベントのお得なポイントのひとつだったと思います。
楽曲はmozのほうがいわゆるロックで、/NOVAはmozよりもアイドルに寄せた感じのロックテイストアイドルという印象でした。その違いはもともと/NOVAが二人組という構想だったからということもあるでしょう。
しかし、キャラクターは、セーラー服衣装のmozの安里さんのほうがアイドルらしく、/NOVAのkinoさんはショートカットに金髪でルックスもロックシンガーみたいで、声もロックバンドのボーカリストのように図太かったです。
この対比が面白かったです。
ただやっぱりキャリアと言えば/NOVAはそれを感じさせてくれている場面も多々ありました。kinoさんのブーツの靴ひもがほどけていたのですが、その靴ひもを結びながらもMCをやめない姿勢は、たえず楽しませてくれる気持ちを感じました。メリハリのあるダンスもさすがでした。
三組目は福岡のアイドルVermillion。先月お披露目のライブをやったばかりで、2回目のステージでしたが、リップシンクもなく見せるステージは本物。三曲すべてオリジナルで、いちいち間奏のダンスが凝っていて、さすがはかつてロコドル戦国地と言われた福岡のアイドルでした。
まさかのギターを持って登場したのが、はるみんでした。
いわゆる弾き語り系のミュージシャンが持っている3弦以下もスチールのアコースティックギターではなく、3弦以下がナイロンのガットギターを持たれてました。そのギターを優しくつま弾きながら歌うのは、ファンの作詞にはるみんさんが曲をつけたという「おっさんの歌」。
おっさんアイドルという、いいのか悪いのかよくわからないカテゴリーで呼ばれることもあるはるみんさんらしい歌を、客席の中年男性の心をえぐりながら歌われてました。その後はいつものアイドルに戻って二曲を披露。落差のギャップが激しかったです。
今回、ロコドルのレベルの底が上がっていると実感できたのはMoMo.でした。
福岡で古くからロコドルのヲタクをしている人ならご存知のあのSAT X 赤間さんがプロデューサーしているグループ。最近ではLuCifeRが歌ってた「運命的瞬間」が赤間さんの代表作と思うし、そういう世界観なのかと思いきや、もっと原点に戻ってました。
FM唐津でラジオもやっているから発声もしっかりしているのですが、その発声や楽曲はもう一言で言ってヲタク好み。Rica.さんもあいゆさんも司会や声優もこなす実力を如何なく発揮してくれています。
個性が強すぎるため、ファンを選ぶとは思いますが、好きになったらどっぷりはまる感じのアイドルさんでした。
中物販前の一部の最後はCandy Crossでした。
正統派アイドルはVermillion以来の出演で、間ではるみんとMoMo.という個性を目の当たりにしていたので、妙な安心感がありました。安定感も当然。直前になってメンバーがひとり来れなくなり、三人のステージなのに、なにも不安らしきものは表に出てないのがさすがでした。
中物販が終わって登場したのはAQUA。コロナ禍で客席の数は絞られ、全席指定席着席というフロアだったので、ファンと一緒にどひゃーっと盛り上がるという以前のようなステージではありませんでしたが、それでも中物販で一度落ち着いた会場の空気を熱くしていました。また、新しく入った研究性が銀色の髪の人で、個人的にすごくAQUAっぽいと感じました。それとともに、そういえばAQUAってこの研究生以外のメンバーさんはいまは黒髪なんだと気づき、何か不思議な気はしました。そんないろいろなものをひとつにまとめてステージをやるところにこのグループの懐の深さを感じました。
AQUAの次に登場したのは、広島の車好きアイドルがコンセプトの低燃費少女。グループ名の低燃費とは真逆のスポーツカーのようなパワフルな五人組でした。
広島とはいえ、福岡の大きなイベントにも出演しているとあって、キャリアもスキルも抜群。カーレースでおなじみのチェッカーフラッグの柄をした襟の白衣装も素敵でした。
そして圧巻だったのはのきつねでこんコン!。
広島のグループでたまに福岡にも来てくれているから、すでにご覧になっている方も多いと思いますが、ぼくは初見でした。度肝を抜かれました。すごかった。
オープニングのSEでお稲荷様のお面を持って、しょっぱなからキレキレのダンスで登場していました。着物風にアレンジされたドレスの足元にはスニーカー。この靴を見てこれは踊るなと思ったら、半端ない身体能力でガンガン踊っていました。圧倒されました。
二人組なのに、この二人が出演している時間は、他のグループが出演しているときよりもずっとステージが小さく見えるほどでした。
ダンスだけではなく、オリジナル曲もよければ、MCでも存分に楽しませてくれました。
正直ぼくは、この日のライブはこのグループと出会えただけでチケット代の価値はあったと思いました。
そしてトリは、今年、コロナ禍でオンライン開催になってしまったものの、ついにTIF出演を果たしたえくれあエクレット。
やっぱりTIFの地方予選を勝ち抜くようなグループは完成しているなと感じさせます。えくエクのストーリー仕立てのダンスは、ある程度の人数のいるアイドルグループではないとなかなか見ることができません。全員や歌っているメンバー以外が同じ振りをするのではなく、そろぞれのメンバーが全く別々な役割を行っているダンスは、推しメンをじーっと見るよりも、全体を見たいものです。そういう楽しみ方のできる大人数アイドルを久々に見れて満足でした。
そして、最後の曲が終わったあと、ここまで他のsound R.E.Cのアイドルがステージを降りるときにステージに向かって礼をしていたのを見ていたから、このグループはどうするのだろうと見ていました。
すると上手の一角に全員が集まり、びしっと一礼をされてました。このシーンはかっこよかったです。その一礼に向けて、フロア全体から拍手が飛んでいました。

以上、出演されたアイドルさんの感想を書きましたが、全体的に感じたのは最初に言ったように昔に比べてローカルアイドルのレベルは高くなっているなということでした。
あと、sound R.E.Cの礼を見たからそう感じたのかもしれないけど、各アイドルさんから感謝というのを肌で感じられたなと。
コロナ禍でアイドルさんを見に行けないファンもつらかったけど、ライブもできないアイドルも実際つらかった。
そんな気持ちが総勢29人ものアイドルさんが集まると、ひとつのパワーとして肌で感じられたのは、ひとりのヲタクとしてしあわせな気分になれました。
そして思い返すにここ数年、ぼくは決まったグループを見に行くことがほとんどでした。
もちろんそれはそれで正しいアイドルの楽しみ方と思います。
でもたまには、これまであまり見に行ってないアイドルをふらりと見に行くのも楽しいなと感じました。