去年の七月、いまは亡きアポロポートシアターのこけら落としイベント(つか、このシアター、1年持たなかったのね……)。
熊本初遠征のhipS Shipがステージで問いかけました。
「井尻で有名な食べ物をご存知ですか?」
きょとん。
すると遠征で来られていたヒッパーさんが答えられてました。
「からあげ」
それがぼくと井尻のからあげとの出会いでした。
その後井尻の商店街を盛り上げる使命を持ったhipS Shipが、猛烈に井尻のからあげを推していることを知りました。
最近では、「食べるからあげ乙女!」という曲のCDまで発売する入れ込みよう。
その影響で、井尻のからあげが、まるでアイドルグッズのように扱われ、hipS Shipのライブがある日はもちろん、ライブがなくても井尻にからあげを食べに行くアイドルファンは増えているようです。
ということで、日曜日はその井尻にアイドルとからあげを食べに行って来ました。
天神から走って……。
なぜかTick☆tikと……。
Tick☆tikの公式でさえ「悪ノリ」と言ってる企画でした。
が、ZEPPだって勢いで押さえちゃうほどのTick☆tikだけに、イベント自体はまさに神イベにもほどがあるってほどでした。
まずスタート前に、メンバーは待ち合わせ場所で一曲、突如披露してくれました。
イベントの料金は1500円でチェキ二枚付きとリーズナブルだったので、てっきり歌っている姿は見れないだろうなと思っていたところでの大サービスに心が躍ります。
突如、音響のトラブルで後半は伴奏が流れなくなりましたが、それでもメンバーは時おり演奏を口ずさみながら、最後まで踊り歌いました。やめずにパフォーマンスをこなす姿は、アイドルとして純粋に心を打たれました。
ところでのスタート。
井尻までの各駅前をチェックポイントで集合する形でマラソンはスタートしました。
マラソンイベントといいながらも、がちで先頭を走る小島しいさんは全開で走ってましたが、すでに一曲スタート前にやらされたメンバーさんの中にはすでに疲れを隠せずマイペースな子も。
ぼくのように体力にあまり自信のないヲタクでも問題なく参加できるイベントでした。
時おり歩きながら、メンバー同士が話す姿を見て普段はこんな風にこの子たちはしゃべっているのだとほほえましく思ったり、ふっとメンバーから話しかけられて心臓が飛び出すほどドキドキしたり、メロディーメーカーの先生に全力疾走してるときに「たきびさんですよね。ツイッター見てます」と挨拶されて恐縮したりと、いろいろなことがおこりました。
時おり歩きながら、メンバー同士が話す姿を見て普段はこんな風にこの子たちはしゃべっているのだとほほえましく思ったり、ふっとメンバーから話しかけられて心臓が飛び出すほどドキドキしたり、メロディーメーカーの先生に全力疾走してるときに「たきびさんですよね。ツイッター見てます」と挨拶されて恐縮したりと、いろいろなことがおこりました。
ぼくは直接は見てはいないのですが、歩道で車いすの方が困っているときに、ことみデラックス関取こと三浦ことみさんが、率先してその車いすの方の手助けをしたという心の温まる出来事もあったそうです。
とにかく、8キロ以上の長い道のり(最短ルートは7キロ弱だったのが、なぜか運営のコース設定が遠回りになってた)だったので、たくさんのことが起こりました。たくさんの時間をアイドルと過ごすことができました。
ぼくは推しにべったり張り付くのではなく、せっかくなんでいろいろなところを動き回りましたが、ひとりのメンバーに張り付いて見てると、まるでテレビのドキュメンタリー番組のように表情の変わるメンバーを感じることができたそうです。
ぼくらと同じように汗をかいて、走るのがきついと思っているぼくらと同じように「きつい」と言っているメンバーに感じるシンパシー。
ライブで一緒に汗を流すときは、どうしても演じ手と受け手という壁がありますが、その壁がヲタクとアイドルの間になくなっているように錯覚するほどでした。
しかも社長やマネージャーさん、作曲家など関係者も車も使わずに走るという平等感も、みんなでひとつのチームなんだと実感できました。
最後に井尻駅についたときは、メンバーさん、運営、そしてヲタク、そこに連帯感さえ芽生えていました。
あの感覚は、ある意味、アイドルがもっとも身近なところにいた瞬間だったとぼくは思っています。
目的はからあげを食べることでしたから、さあ食べようと井尻商店街入口の「さんわ」に並んだとき、二階の喫茶店の窓から「なんの団体ですか?」と訊ねられました。
「井尻にからあげを食べに向かった団体です」というと二階の方は苦笑されて「今度は井尻にコーヒーを飲む会をやってください」とおっしゃってましたが。
「井尻にからあげを食べに向かった団体です」というと二階の方は苦笑されて「今度は井尻にコーヒーを飲む会をやってください」とおっしゃってましたが。
そのとき、ぼくはいま、Tick☆tikのメンバーと同じ団体に所属しているのだなとうれしくなりました。
ファンがアイドルが、一緒になってなにかをやり遂げる。
アイドルの活動を見たとき、たとえば総選挙で高い順位に食い込ませるとか、大きい箱でライブをやるとか、そういうことで、一緒にやり遂げる場面は多々あると思います。
実際に成功をつかめば、アイドルも「みんなと一緒にここまで行けた」と言いますし、ファンも「アイドルが連れて行ってくれた」と言うように、ファンとアイドルの共同作業的な場面を、お互いが尊重しあうことはよくあります。
実際に成功をつかめば、アイドルも「みんなと一緒にここまで行けた」と言いますし、ファンも「アイドルが連れて行ってくれた」と言うように、ファンとアイドルの共同作業的な場面を、お互いが尊重しあうことはよくあります。
ファンとアイドルがひとつの目標に向かってベクトルをあわせることが、アイドルの発展のためには必要な力なのです。
ただ、大きい目標の場合、結果の満足感のみにばかりスポットが当てられ、アイドルもファンも一緒に行った共同作業のことは、意外と覚えてないものです。
もっともアイドルさんはもちろん、ファンの側も、裏で動いたり影で動いたところは、お互いに見せないのがスマートなのですから、ファンはアイドルがそこに上り詰めるためにどんな目にあったのかを知ることはできないし、アイドルさんもファンが裏でどういう動きをしたかは知ることができないのが普通です。
もっともアイドルさんはもちろん、ファンの側も、裏で動いたり影で動いたところは、お互いに見せないのがスマートなのですから、ファンはアイドルがそこに上り詰めるためにどんな目にあったのかを知ることはできないし、アイドルさんもファンが裏でどういう動きをしたかは知ることができないのが普通です。
しかし、今回はベクトルはファンもアイドルも一致していましたが、目的が「からあげを食べに行く」という別に今後のアイドル活動のキャリアにもならないことなので、目的よりもみんなで走るというプロセスを、アイドルと一緒に味わうことができました。
これは本当に貴重な体験だったと思います。
これは本当に貴重な体験だったと思います。
そして大げさなことをいうならば、いま現在も来年2月1日のZEPPライブのために、Tick☆tikに関わる、メンバーさん、運営さん、ファンなどすべての人は、この日のマラソンのように、ときにはマイペースに、ときには社長に尻を叩かれながら、走っていることを、この日のイベントは具現化しているようにぼくは感じました。
そしてそれが見られたことがとてもうれしかったです。
からあげを食べてからの交流会も、みんな疲れているため、だらだらと話したいときにメンバーと話し、眺めたいときにメンバーを見つめ楽しい時間でした。
そして、運営さんも誰も天神から車で井尻まではやってきていませんでしたので、帰りは社長や作曲家の先生、そしてメンバーも西鉄井尻駅から電車に乗って帰っていきました。
それはなんかおもしろい絵でした。
それはなんかおもしろい絵でした。