問3
次の<資料>は、当月の初めに購入した大型クレーンに関するものである。下記
の問に解答しなさい。なお、計算の過程で端数が生じた場合は、最終の解答を算
出する際に円未満を四捨五入すること。
<資料>
1.社内損料計算に関する資料
(1) 取得価額(基礎価格) 各自計算すること
(2) 耐用年数10年 償却費率100%  減価償却方法 定額法
(3) 修繕・管理費の率修繕費率55 %(耐用年数期間中)
管理費率7%(年間)
(4) 使用の標準 年間標準運転時間 1,200 時間
年間標準供用日数 200日
(5) 計算された損料 運転1時間当たり損料 各自計算すること
供用1日当たり損料 ¥14,400
ただし、両損料額の算定にあたって、年当たり減価償却費の半額ずつをそれぞれ
組み入れている。
2.大型クレーンは、当月、A工事現場でのみ使用された。その実績は次のとお
りである。運転時間75 時間供用日数16 日
3.当月、大型クレーンに関連して発生した費用は次のとおりである。
修繕・管理費 ¥193,200
減価償却費  月割経費

問1 大型クレーンの取得価額(基礎価格)を求めなさい。
・・・・大型クレーンの取得価額(基礎価格)を「X」とする。
「(2) 耐用年数10年 償却費率100%  減価償却方法 定額法」の条件をもとに
毎年の減価償却費を計算。
毎年の減価償却費=(X-残存価格)÷10年=(X-0%)×0.1=0.1X
「(5) 供用1日当たり損料 ¥14,400」、「(4) 年間標準供用日数 200日」、
「ただし、両損料額の算定にあたって、年当たり減価償却費の半額ずつをそれぞ
れ組み入れている。」という3つの条件より
年間の管理費+減価償却費の50%=¥14,400×200日=2,880,000円
減価償却費=0.1Xを代入すると、年間の管理費+0.05X=2,880,000円・・・・

取得価額(基礎価格)と年間の管理費の関係は、「(3)管理費率7%(年間)」
であるので、年間の管理費=0.07X・・・・②
②を①に代入すると、0.07X+0.05X=2,880,000円
0.12X=2,880,000円
X=24,000,000円

問2 A工事現場への当月配賦額を計算しなさい。
「(3) 修繕費率55 %(耐用年数期間中)」の条件より、1年間の修繕費率は、55
%÷10年=5.5%
年間の修繕費=大型クレーンの取得価額(基礎価格)「X」×0.055=1,320,000

年間の修繕費+減価償却費の半額=1,320,000円+24,000,000円×0.05=1,200,
000=2,520,000
「(4) 使用の標準 年間標準運転時間 1,200 時間」の条件より、運転1時間当
たり損料=2,520,000÷1,200 時間=2,100円/時間
A工事現場に投入された大型クレーンは、運転時間75 時間、供用日数16 日であ
るから、A工事現場への当月配賦額=2,100円/時間×75 時間+14,400円/日×供
用日数16 日=387,900円

問3 当月の損料差異を計算しなさい。なお、差異が配賦不足の場合は「X」、
配賦超過の場合は「Y」を解答用紙の所定の欄に記入すること。
・・・・当月の修繕費(実際額)+管理費用(実際額)=193,200、当月の減価
償却費=24,000,000÷10年÷12か月=200,000
当月の修繕費(実際額)+当月の管理費用(実際額)+当月の減価償却費の半額
+当月の減価償却費の半額=193,200+200,000
「当月の修繕費(実際額)+当月の減価償却費の半額」+「当月の管理費用(実
際額)+当月の減価償却費の半額」=393,200円
「運転1時間当たり損料」、「供用1日当たり損料」に基づく配賦額は
2,100円/時間×75 時間+14,400円/日×供用日数16 日=387,900円
387,900円-393,200円=-5,300円(配賦不足:X)