問4
岡山建材工業株式会社では、10 台の同一機械を使って1種類の製品を作ってい
る。次の<資料>に基づいて、下の問に解答しなさい。
1.直接作業者の1ヵ月の勤務時間は200 時間(うち正規時間160 時間、残業時
間40時間)まで可能であるが、機械設備の定期保全と故障修理に毎月17 時間必
要であり、作業の段取りなどに毎月23 時間要しているので、正味の機械運転時
間(実働時間)は月間160 時間である。
2.製品の生産能力は機械運転時間(実働時間)によって制約されている。月間
の生産量は、フル操業のとき(実働160時間)で80,000 単位になるが、そのうち
10 % が不良品になって廃棄されている。
3.フル操業の月の製品1単位当たりの売価とコストは次のように計算されてい
る。
売価¥3,000
材料費¥900
変動加工費¥300
直接労務費¥420(×80,000 単位=33,600,000=月給25,600,000+超過勤務8,000,
000)超過勤務時間は正規時間の4分の1であるが、単価は1.25倍となっている。
月給25,600,000÷4×1.25=8,000,000という関係が成り立っている
固定諸経費¥500(×80,000 単位=40,000,000)
現状の収益:80,000個×90%×3,000-80,000個×(900+300+420+500)=72,000
個×3,000円-80,000個×2,120円=216,000,000-169,600,000=46,400,000

直接労務費は、正規時間については月給制(月間総額¥25,600,000)であるが、
残業時間にはその25%増しの残業手当が支払われる。
表中の直接労務費と固定諸経費は、月間総額を80,000 単位で割った値である。
変動加工費は(機械運転時間)実働時間に比例する。・・・・残業部分について
も単価は変わらない

問1 当社は好況のため、フル操業しても追いつかないほどの需要がある。この
とき、次のような改善ができたとすると、その経済的効果は月間いくらになるか
を計算しなさい。ただし、各改善は単独でなされるものと仮定しなさい。
(1) 不良品の数を現状より1割減らすことができる(不良率が9%になる)場合
の経済的効果
不良品の数を減らすことができれば、収入アップにつながる。(製造費用につい
ては影響なし)
不良品率低下後の収益:80,000個×91%×3,000-80,000個×(900+300+420+500)
=216,000,000-169,600,000=46,400,000
費用部分は変動しないので、80,000個×1%×3,000=2,400,000円の改善

2 保全・修理・段取りなどの時間(現状で40 時間)を1割減らすことができる
場合の経済的効果
・・・・機械運転時間が160時間から164時間に4時間増加する。
製造個数は増加、材料消費量も増加、変動加工費も増加、直接労務費は変動なし、
固定諸経費も変動なし。
不良品率は変動無しなので、販売個数は、80,000個×164時間÷160時間×90%=73,
800個
製造個数は、80,000個×164時間÷160時間=82,000個
73,800個×3,000円-82,000個×(900+300)-33,600,000(変動無しの直接労務
費)-40,000,000(変動無しの固定諸経費)
保全・修理・段取りなどの時間を4時間減らすことによる改善効果は、
(73,800個-72,000個)×3,000円-(82,000個-80,000個)×(900+300)=5,
400,000-2,400,000円=3,000,000円

3 設計の工夫により、材料の消費量を1割減らすことができる場合の経済的効果
販売個数、製造個数は変動無し。
材料の消費量を1割減らすことができる、80,000個を、従来の72,000個分の材料
で製造することができる。
改善効果は、(80,000個-72,000個)×900円=7,200,000円

問3 当社は不況のため、需要が月間54,000単位に落ちたので残業する必要がな
くなった。直接作業者の数を減らすことはできない。この条件のもとで問1の(3)
の改善がなされたとすると、その経済的効果は月間いくらになるかを計算しなさ
い。
販売戸数は54,000単位なので、収入は54,000単位×3,000円
不良品率が10%であるので、54,000単位÷90%=60,000単位の製造が必要
材料の消費量を1割減らすことができる改善は、従来の54,000単位分の材料で、
60,000単位の商品が製造できるようになったということであるから
(60,000-54,000)×900円=5,400,000円