過去問集の解説を読み、記載されている数式を見て、確かにこの金額(回答)に
なるけれど、「なぜ、この数字を使うのか。」「なぜ、この計算式になるのか。」
等が、腑に落ちない方、もやもやしている方向けに、これ以上詳しく書けない解
説を書いてみます。

問3
次の<資料>は、当月の初めに購入した大型クレーンに関するものである。下の
設問に解答しなさい。なお、計算の過程で端数が生じる場合、計算途中では四捨
五入せず、最終数値の円未満を四捨五入すること。

<資料>
1.社内損料計算に関する資料
(1) 取得価額(損料計算上の基礎価格) 各自計算すること
(2) 耐用年数5年 償却費率90%  減価償却方法 定額法
・・・・「償却費率90%」ということは残存価格10%ということ。
(3) 修繕・管理費の率 修繕費率55 %(耐用年数期間中)
管理費率8 %(年間)
・・・・「修繕費率55 %(耐用年数期間中)」ということは、毎年の修繕費率
は11%、すなわち予算化されている修繕費予算は、設備取得価格の11%となる。
管理費率8 %(年間)はそのまま条件として提示されているので、予算化され
いる管理費予算は、設備取得価格の8%となる。
(4) 使用の標準年間標準供用日数200日
年間標準運転時間1,300 時間
(5) 計算された損料供用1日当たり損料各自計算すること
運転1時間当たり損料¥2,100
ただし、両損料額の算定にあたって年当たり減価償却費の半額ずつをそれぞれ組
み入れている。
・・・・「運転1時間当たり損料¥2,100」から、設備の取得価格を逆算する。
「年間標準運転時間1,300 時間」であるから、@2,100×1,300時間=2,730,000=
年間の減価償却費の半額+年間の修繕費予算=(設備取得価格の90%÷5年÷2)
+(設備取得価格の11%)=(設備取得価格の9%)+(設備取得価格の11%)=
設備取得価格の20%
方程式を解くと、設備取得価格=2,730,000÷0.2=13,650,000
毎年の減価償却費の半額は、13,650,000の90%÷5年÷2=1,228,500
予算化されている管理費予算は、設備取得価格の8%、すなわち13,650,000×0.08=
1,092,000
使用1日当たり損料は、(1,228,500+1,092,000)÷標準年間標準供用日数200日=
11,602.5

2.大型クレーンは、当月、甲工事現場でのみ使用された。その実績は次のとお
りである。供用日数14 日 運転時間74時間
・・・・@11,602.5×供用日数14日+@2,100×運転時間74時間=317,835

3.当月、大型クレーンに関連して発生した費用は次のとおりである。
修繕・管理費¥132,550 減価償却費(月割経費)
・・・・減価償却費(月割経費)=取得価格13,650,000の90%÷5年÷12か月=204,
750
当月、大型クレーンに関連して発生した費用=修繕・管理費¥132,550+減価償
却費(月割経費)204,750=337,300
社内損料計算として、供用日数14 日、運転時間74時間の当月の甲工事現場への
予算配賦額は、317,835なので、317,835-337,300=-19,465円が配賦不足(X)

問1 甲工事現場への当月配賦額を計算しなさい。
問2 当月の損料差異を計算しなさい。なお、差異が配賦不足の場合は「X」、
配賦超過の場合は「Y」を解答欄に記入する
こと。