1986年11月5日リリース、シングル「ONE DAY」のカップリング。
アメリカのロックバンド、Creedence Clearwater Rivival(CCR)が1971年にリリースしたヒットシングル「Have You Ever Seen the Rain」のカバーである。
Someone told me long ago
There's a calm before the storm
I know it's been coming for some time
When it's over so they sayIt'll rain on a sunny day
I know shinning down like water
I wanna know
Have you ever seen the rain
I wanna know
Have you ever seen the rain
Comin' down on a sunny day
昔々、誰かが言った
嵐の前には静けさがあるってな
知ってるよ、最近もそんな感じだからな彼らが言うには、静けさの後で
晴れた日に雨が降るらしい
知ってるよ、きらきらと輝きながら降ってくるんだ
俺は知りたい
雨をみたことがあるかい
俺は知りたい
晴れた日に降ってくる
雨をみたかい
「晴れた日の雨」とは、天候にかかわらずベトナムの土地に降り注ぐ「ナパーム弾」のメタファーであると。
しかし、中心メンバーでありソングライターのジョン・フォガーティはこれを否定しており、この曲はCCR解散の予兆に言及した曲だと発言している。
この頃のCCRは数々の成功をおさめ、富と名声を手にしたにもかかわらず、どういうわけかメンバー全員が落ち込んでいた。まるで晴れた日に雨をみているような気分だった。それがタイトル及び歌詞の由来であると本人は述べている。
KUWATA BANDがこの曲を選んだのは、レインソング「ONE DAY」にちなんでという理由もあるだろうが、あるいはCCRと同じような状況にあったからかもしれない。富と名声を手にしたものの1年という区切りで泣く泣く解散しなければならない。空は未だ晴れているのに雨が降っているような、そんな心情をこの曲に託したのかもしれない。
多様な解釈が成立するのは曲の懐が深いからであり、それもまた名曲の条件だろう。
音楽というのは好きに聴けばよいのであり、戦争批判の歌がラブソングに聴こえたら、それは絶対にラブソングなのだ。
聴こえた歌こそがあなたにとっての真実であり、それ以外に真実はない。
だから自信(自分を信じること)をもって聴きましょう。
ミドルテンポのシンプルなロックナンバーで原曲の忠実なカバーになっている。
桑田は決して聖域を侵さない。
例えば、「ROCK CONCERT」収録のボブ・ディラン「風に吹かれて」や「Like A Rolling Stone」の大胆なカバーはむしろ例外で、基本的に彼がカバーをするときはオリジナルに忠実である。AAAにおけるビートルズやクラプトンのカバーを聴けば分かるように、それはカバーというよりもコピーに近い。
そのような彼の姿勢は、神々への敬意の表れなのである。
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