1986年11月5日リリース、KUWATA BAND4枚目のシングルかつラストシングル。


「雨が心に 音をたてる
闇を枕に 今宵Oh poor boy

So c'mon, one day I found you
Tonight I miss you」

「雨にぬれても」、「雨に唄えば」、「レイン」、「悲しき雨音」等、雨にまつわる名曲は枚挙にいとまがない。
タイトルは「ONE DAY」、「雨」という単語も冒頭に出てくるだけで、いわゆるレインソグとは異なるが、「泣き濡れたまま 渚に舞う」、「よくある涙のStory」と、この歌はとかく涙にあふれており、当然ポップソングにおいて「涙」は「雨」の隠喩であり、従ってこの曲はレインソングと言えるだろう。

いずれにせよ「ONE DAY」は私にとって最高のレインソングであり、雨の日は決まってカフェの窓際の席に座り、通りを跳ねる雨粒を見ながらこの曲を聴く、なあんてそんな洒落たことはしないが、雨の日に聴きたくなる曲と言えば、とりもなおさずこの曲である。

ピアノのイントロ、アコースティックギターの調べに乗せて、桑田が哀愁漂うボーカルを聴かせる。乾いたパーカッション、リーコーダーのもの悲しい旋律に男だけの不器用なコーラスが続く。ストリングス、ドラムが重なると曲はクライマックスに向けて徐々に熱を帯びていく。
それでもクールな男は声をあげて泣いたりはしない。静かに降り続く雨のように、声を殺して人知れず涙するのだ。

後にライブアルバムがリリースされたが、KUWATA BANDのオリジナル作品はこの曲が最後である。
「Melody」や「ひき潮~Ebb Tide~」同様、この失恋のスローバラードはファンに捧げたお別れの涙雨である。

さて、勘のいい方はもうお分かりだろう。なぜこの曲のカップリングが「雨をみたかい」になったのか。
それは、「神様」が登場した「Merry X'mas In Summer」のカップリングが「神様お願い」だったのと同じ理由による。

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