多党化、不安定化の時代へ?参議院選を踏まえての個人の感想
参議院選から一夜明けて、雑感をメモしておきます。あくまでも緻密な分析ではなく、各選挙区の票の出方を見た中での個人の意見です。
まず、選挙区の結果から、自公で小選挙区を取っていく戦略は、野党側の出方次第ですが終わったな、ということです。野党側の協力体制や考え方によってはまだ、次の総選挙では自公はそこそこ取れるかもしれませんが、野党側も今回の選挙区の数字は踏まえてくると思います。
立憲はやはり野党第一党としての得票はしましたが、連合の支援が大きく、ここからの伸びしろはさほどないでしょう。
次に、第三極としての公明党、共産党、維新の存在感の決定的な低下です。全国的には地方組織が脆弱な維新ですが、大阪では相変わらずしっかり票を取ってきましたが、その背景には盤石の地方議員の組織がありました。
また、公明党と共産党はかつてはライバルでしたが、共産党は地方組織が崩壊しつつあるところであり、それが今回の得票にも大きく響きました。公明党も前回の統一地方選で異変が観察されていましたが、まさにその流れの中で今回の選挙結果がありました。
新興政党ですが、国民民主は山尾の乱のダメージでかなり得票が減ったと言われています。その通りだと思います。これからの地方選での地道な擁立で立て直しを図ってくるものと思います。
参政党は地方選挙でコツコツと全国津々浦々の地域に進出して、また、駅頭や辻立ちなどの地道な戦術を重ねてきて上でのブームでしたので、セオリー通りの勝利だったものと思います。地方選挙では今後、台風の目となるでしょう。かつての公明党の強さを彷彿とさせますし、元吹田市議の神谷氏は地方での公明党の戦略を研究し尽くしているのではないかと思います。
れいわも地方選に積極的に打って出てきましたが、候補を擁立できなかった選挙が多くて、そこが参政党との決定的な差となりました。
チームみらい、再生の道、保守党はどこも空中戦型でしたが、再生の道は石丸さんが出なかったことが決定的な戦略ミスだったのではないかと思われます。ただ、チームみらいは当選者を出せましたので、今後の展開次第で3年後もあるのではないかと思います。保守党はツートップの癖が強すぎるのですが、北村さん次第といったところでしょうか。結局テレビ有名人は強いですね。
社民党は結果的にラサール石井さんを出して、話題を呼んだことなどが功を奏し、生き延びましたね。
次の総選挙がいつになるかはわかりませんが、先に統一地方選が来る可能性がそこそこあります。統一地方選に向けて、国民民主党、参政党は徹底的な候補擁立を行うことと思います。
ちなみに、自民党ですが、これまで隠れ自民だった保守系無所属の自民系候補を自民党候補として大量に擁立する、という戦略がありうると思います。ただ、大量落選もあり得ますのでそこは博打になります。まあ、やらないでしょうし、候補も今の自民だと逃げだすでしょうね。むしろ、参政党に一定数が逃げ込みそうです。
自公の反転攻勢という視点で考えると、決定打はなくて、日本の政界は多党化、不安定化していくのではないかと思います。
自公に活路があるとしたら野党の協調がないこと、どこかの野党がやらかして自滅することぐらいです。
私は無所属の地方議員に地域で活躍してもらい、地域課題を解決してもらうことが地域活性化につながると考えていて、国政選挙の文脈で地方選挙が利用されることには批判的なのですが、ここしばらくの地方選挙では国政政党の候補者が幅を利かせることになのではないかと思います。
地方議会では誰がどこの公認を取りに行くか、誰にどこが声をかけるか、という話が飛び交い、ざわざわするでしょうね。
頑張れ、純粋無所属の地方議員。
以上、個人の感想です。
保守党が漏れていたので追記。東京は実務能力が高いだけに小坂さん残念でした。