集団記憶と記念樹
何年か前の3月11日に震災の記憶をとどめるための碑のことを書きましたが、人は大切な記憶を集団記憶としてとどめるために木を植えることもあります。
広島には平和大通りの被爆者の森があり、47都道府県の木が植えられています。
この「被爆者の森」には、全国の被爆者の思いが込められている、ということです。
この都道府県の樹木を見ていると、かなり樹木にかぶりがあることがわかります。和光市の木、させには都の木でもあるイチョウですが、神奈川、大阪もイチョウ。
欅といえば埼玉と思っていましたが、宮城とかぶっています。それだけたくさんの木が生えているからなのでしょうが…。
そして、そもそもイチョウは外来種なんですよね。
また、県の木ではなく、県の花が咲く木を植えているところもあります。
木は生きていて、記念碑とはまた違う感慨をもって眺めることができますが、管理も大変で費用もかかります。
被爆のことを集団記憶として後世に残すための被爆者の森なのですが、ここを四季、歩くと、四季折々の感慨とともに日本各地へのいろいろな思いが人それぞれに去来します。