統一地方選を国政政党目線で総括すると…国政妄想大会 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

統一地方選を国政政党目線で総括すると…国政妄想大会

私の持論(地方のことは地方が地域の論理で決めるべき。国政政党はあくまでも地方選の選択肢の一つ)とは異なるけれど、統一地方選を国政政党目線で総括してみた。

出所 朝日新聞選挙サイト(統一地方選特集)より、3つの画像を並べて作成。なので、著作権者は朝日新聞


1.統一地方選の朝日新聞集計サイトのデータを並べてみた~立憲はむしろ勝っているのに蓮〇さん、もしや数字が読めないの?

見やすいように、統一地方選の朝日新聞集計サイトのデータを並べてみた。国政政党の地方での浸透度を見るには、この3つを並べてみるのが分かりやすい。
自民立憲国民は公認を取らないケースも往々にしてあるので、この数字だけで見るわけにはいかないけれど、立憲は今回特別に地方選に注力したわけではないのに、全体的に当選者が増えている。これで、なぜ地方選の勝利宣言をして挙党一致で国政選挙に臨まないのか謎。地方選など眼中にないか、主導権争いが優先なのか、どちらか。
国政選挙は競り負けたり、単純な選挙区事情なので、執行部を引きずり下ろすような話ではない。どちらにせよ蓮舫氏らが内紛を仕掛けるのをやめない場合に当事者を追い出せるか否かが中長期的に見た立憲の最重要課題だろう。

2.維新は依然、都市型

維新は野党第一党を目指して、着実に地方選で議席を伸ばした。ただ、地方部では立憲の方が圧倒的に強く、維新は数字で明らかなように、今のところ、都市型の政党と言える。
何より、維新は在阪放送局をうまく取り込んだので、その電波が届く範囲にはめっぽう強い。このデータでは見えないが、都道府県別のデータを見ると、それが明確に現れる。

3.組織政党は組織の高齢化が課題

共産はだいたい2割減。何よりも組織の高齢化が響いている。その上で、浮動票がほぼ入らなくなってきているのが致命的。
公明は横ばい。練馬の変が話題になったものの、あれは当選ラインを読み違えたというもの。
ちなみに、自民は国内の労組&一部の宗教組織以外のほぼあらゆる組織を「政治連盟」とか屁理屈を言いながら実質的に傘下に収める「日本の体制そのもの」と言ってもいい組織政党なので、組織の高齢化には長年悩んでいる。
社民とれいわはマーケット的に競合するが、れいわに食われたというより、依存する組織の退潮や人材不足が響いている。

4.フリーの全共闘世代を奪い合う参政、れいわ

参政とれいわは、マーケット的に所得の平均値を挟んで線対照的な関係だが、参政の方が全共闘世代の無党派を取り込んでいるイメージ。あくまでも街頭演説の動画を見た上でのイメージ。組織外の全共闘世代はオルタナティブを好む傾向があるので、参政、れいわはそれにうまく反応している。

5.マーケット的に誰がやってもうまく行かない国民。そして労組の選挙動員力の低下

国民は維新と被りが大きく、割りを食った。マーケット的には非常にしんどいところ(レッドオーシャン)にいるので、誰がやっても打開策は全くない中で、玉木さんのパーソナリティで踏ん張っている。

労組系の政党は、労組の派閥争いの影響が大きいが、労組の組織率だけでは読み取れない、労組の選挙動員力の低下と組織の高齢化が痛くて、国内の労組以外のほとんどの組織を実質的に束ねる自民には対抗し得ないのが実態。
自民に対抗するには、浮動票が取れる維新の方が強く、野党第一党は維新になる可能性が高まっている。

6.今後の展開は、立憲の内紛をしり目に、西を中心に都市部では維新が自民に肉薄

まあ、個人の感想ですけど、この三つの表を比較すると、当面の国政政党のバトルは、立憲vs維新の野党第一党争いが中心になるべきところ、立憲が内紛で多忙なので、今のところそうはなりえないのがおもしろいところ。傘下組織の高齢化でじり貧の自民と維新がこれから本格的に全国の都市部で競合する。もとより、あっさり挑戦を跳ね返された名古屋の例でわかるように、大阪の再現は容易ではないが、第1世代が組織から去り、第二世代維新がうまくイメージを改善して無党派のうち真ん中から右側をごっそり取れば、少なくとも立憲をあっさり抜き去ると思われる。
立憲が内紛を克服できるなら、維新とのバトルは長くなるけれど、その際、維新側の鍵は第一世代が必要以上に介入しないことに尽きる。奈良県知事選の公認事件のようなことがまたあると、イメージは下がる。橋下氏が「公認ということは維新スピリッツは承知しているということだ」とか言い放って、あっさり山下氏を受け入れてウイングの広さを見せつければよかったのだ。

え、都民ファースト?まだいたの?となりそうだけれど、都民ファーストはどちらかというと地域政党としての命脈はあるので、これは別途地域政党として論評すべき勢力なのかな、と思います。あくまでも国政政党の今後を考える妄想大会なので、地域政党については今回は議論しません。また後日。