あの神山町に(少しだけ)行って来た | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

あの神山町に(少しだけ)行って来た

奇跡の町、なんてことも言われる徳島県神山町。
地方創生のお手本として今さらを紹介するのもややこっぱずかしいぐらい有名な町である。
この、超有名なまちを1度は訪問してみたいと思いつつ、なかなか実現できなかった。神山は和光市からも遠いし、今仕事の拠点にしている広島からも遠い。
また、神山は、すでに様々な媒体や論文で紹介されているため、取材に行く、と言うのも、意外にハードルが高い。ところが、である。
別件の論文執筆準備のために徳島、愛媛に出張することとなった。本題については後日、論文と言う形でご紹介できると思うので、それは省く。
いずれにしてもこの絶好のチャンスを逃すわけにはいかない、ということで同僚の竹下智教授とともにごくごく短時間ではあるが、神山の空気を吸ってみることにした。
なんとなくとても山奥の山裾にあるまちと言うイメージがあったが意外にも、徳島市内などからアクセスがそんなに不便ではなかった。また、確かに山あいにはあるが谷がわりと開けており、その雰囲気は明るい。
訪れたのは、この1年、仕事で大変お世話になった人材育成コンサルタントで自分史制作コンサルタントでもある松坂智美さんがオフィスを構える、神山バレーサテライトオフィスコンプレックス。神山の奇跡の中心地の1つである。
このオフィスは、神山の躍進を牽引してきたNPO法人グリーンバレーが運営する、このまち唯一のコワーキングスペースである。
施設に入ってまず感じたのは、あたたかみのある薪ストーブの存在感である。普通のシェアオフィスにはないニオイというか独特の空気感が面白い。
もともとは工場だったと言うこの場所には、様々な企業や個人事業者が集まるほか、4月に開校する神山まるごと高専の設立準備室、3Dプリンター等を備える神山メイカースペースもある。
勝手に集落の中に、忽然とおしゃれな一角がある、と思っていたが、建物は周囲に溶け込んでいる。ここで働く松坂さんは、1年半ほど前までは東京にいた。今でも、仕事のかなりの部分は首都圏とつながっていると言う。
一方で、現在楽しく取り組んでいるのは、地域密着型の自分史に関わる仕事である。松坂さんは地域で活躍するさまざまなキーパーソンにもヒアリングを行い、神山の元気や活気の源泉を探っているという。
なんだかワクワクするような神山ライフの楽しさについてもいろいろ伺ったが、私もそれを聞いていてちょっと欲が出てきた。それは、神山のまだあまり紹介されていない側面を何らかの形でまとめてみたいというものだ。
ごく短時間の訪問だったので、私はまだ神山の魅力についてほとんど知らない。ただ1つ気づいたのは、これだけ有名でもてはやされている神山ではあるが、意外にその成功は等身大だと言うことだ。
神山では、地方創生界隈では知らない人はいない、神山塾と言う地域人材育成のプログラムを行っており、実は今募集中である。
いわゆる求職者支援制度を活用した地域滞在型の職業訓練である。失業保険の給付要件を満たす方で興味がある方はリンク先をご覧いただきたい。もしかしたら、人生を変える6月になるかもしれない。
一般の方にはワーケーションのスキームもある。
ちなみに、今話題の神山まるごと高専の合格発表もつい先日終わったばかり。なんと一般入試は9倍と言う高倍率だった。4月には、いよいよ第1期生が入学する。若い高専生たちが地域からどのような刺激を受け、地域に刺激を与えるか、考えただけでもワクワクする。