醤油ぺろぺろ事件と私的制裁と憲法31条 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト
- スシローでの醤油ぺろぺろ事件。あっという間に本人が特定され、週刊誌が自宅を直撃して商売している。
- 正直なところ、スシローが損害賠償請求をするのは当然だが、本人を特定し、ネットリンチを行ったり、週刊誌が自宅を直撃して雑誌を売るのは私的制裁とそれに便乗した私的制裁ビジネスである。このビジネスはメディアリンチとも呼ばれるがこれは、営利行為である点とともに、その影響が大きい点から非常に深刻な人権侵害行為である。
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- 憲法には
- 「第三十一条
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」
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- というのがある。日本国内では、罰は法的な根拠により、手続きを踏まえて行われる。
- 要するに私的制裁は禁止されているのである。
- 分かりやすく言うと、たとえば江戸時代に行われた仇討の権利は国家によって取り上げられた状態である、ということ。
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- だから、このようなネットリンチ状態に便乗しているとこれは人権侵害の当事者となる。その点を認識し、ネットリンチに便乗しているかどうかをよく考えてから「イイネ」や「リツイート」をすべきなのである。
- ちなみに、私刑の禁止に反する行為については包括的にこれを禁止する規定はないけれど、たとえば、個人の情報をネット上に晒すと名誉棄損罪(刑法230条)に該当する可能性があるなど、結構危ない橋を渡ることになるし、そこまではいかなくても多額の民事訴訟を提起されるケースもある。