分担執筆した地域政党本『情報オープン・しがらみフリーの新勢力』届く
私も分担執筆させていただいた地域政党サミット編の地域政党本『情報オープン・しがらみフリーの新勢力』(CAPエンタテインメント)が届きました。主要書店にも並んでいるとのことです。私の担当は第1部の総論編「地域政党の存在意義」のうち、「議員主導型地域政党VS首長主導型地域政党」のパートです。金井先生の地域政党論を土台として、それぞれの類型について、ここ15年ぐらいの動きを概観しつつ概説し、地域政党の存在意義があるとしたらどういうところにあるのか、という観点から持論を述べました。
ちなみに、恐れ多いことに沖縄の地方自治学の大御所である島袋純先生とご一緒させていただきました。ちょうど先週末の地方自治学会の島袋先生の沖縄の戦後史にかかる発表も非常に重厚で、やばいやばい、勉強しなきゃ、とあらためて反省したところです。
第2部、第3部が地域政党のパート。各地でぶれずに、地域本位、市民本位で頑張る仕事人たちの個性が楽しいパートです。
本書は幅広く地域政党の現在地について情報を読み取れる内容になっていますが、私としては、これから地方選挙に挑む人々、特に大政党の公認なく戦う人々に参照していただければいいなあ、と思っています。
表紙の「地域のことは地域で決める」は地方議員がよく使うフレーズです。しかし、本当にそうなっているのかというと、ここ10年余りの地方分権に関する議論、特に国政における議論の停滞がそうではないことを物語っています。また、紙幅がなく書けませんでしたが、国政政党はそれぞれ独自の地方自治観を持っていて、なかには集権型の極致のような政党もあります。
「そういうあり方がいい」という方もおられるでしょうし、実際に政治学的には政党、特に国政政党はその安定的な運営が望まれる、という考え方があり、選挙制度一つとっても「混ぜるな危険(砂原庸介)」的な考え方があり、一理も二理も有ります。しかし、そもそも安定的な制度が望ましい、という考え方は合理主義の極致であり、実際の地方自治とは対極にあるものです。
人口169人の青ヶ島村の村長と人口が377万2029人の横浜市の市長の力関係は決して169対3772029ではないのです。
本書の帯を書かれた渡辺喜美さんは「テコの原理」と表現していますが「我こそはテコたらん」という方々はぜひ、本書を通じて新たなワールドを切り開いていただきたいところです。