部活動の地域移行は中高生の部活動負担軽減のチャンス
先日、上京した際に、全国市長会を訪問し、稲山博司事務総長をはじめとする事務局の、特に社会文教部の皆様にお目にかかり、先般執筆した論文への取材協力に感謝を申し上げた。その際に、稲山総長と話題になったのが現在議論が行われている、いわゆる部活動の地域移行である。
部活動の地域移行については全国市長会でも議論があり、まさに今、議論がなされているわけだが、停滞している感がある。
その背景にあるのは、部活動のあり方そのものの地域性であったり、さらには部活動を取り巻く地域そのものの状況についても差異が大きい、という現状が影響している。
そもそも論として、部活動は生徒の本分ではないが、生徒によってはその位置づけは大変重い。また、私立高校など、いわゆる部活の強豪校ではなおさらである。
子供たちにとって、部活動の現在のあり方は、特に、一般的な公立校などにおいてはその負担は過重であるケースが多いと思われる。特に一部のスポーツや吹奏楽では、練習回数や練習時間の負担の重さが学業にも影響与えていると言わざるを得ない。
正直なところ、スポーツも音楽もある程度時間をかければそれなりにスキルが上がる。一方で、いわゆる長時間型の根性部活については、その練習の費用対効果は練習時間の増加とともに低減していくわけで、どこかで見切りをつける必要があるだろう。
現在、部活動の負担軽減については正面から重点的に議論されている状況ではない。
だが、個人的には、中高で過剰な時間をかけて部活動に取り組んでいるケースのうち、その道でプロを目指したり、総合型入試のためのポイントを稼ぐというケースを除いては、この地域移行が部活の負担軽減を図るチャンスであると考える。私自身、部活に熱中しすぎて受験には苦労したが、もちろん部活にはたくさんの良い思い出が詰まっている。一方で、人にとって時間は有限であり、部活の時間を減らせば、さまざまな取組が可能になるだろう。
仮に部活の負担を軽減したとして、時間をどのように活用していくのがベターであるかという点についても、制度を考える際に検討が必要と思われる。
以前、一部の私立高校で行われている効率的な練習についてご紹介した。私は、長時間根性型の部活をやめて、効率的な練習のあり方や戦略を学ぶ場に変えていくべきであるというのが持論である。部活動の地域移行はその大きなチャンスであるし、地域で部活に関わる大人たちがそのような意識で部活動の指導に取り組めるよう、仕組みを工夫していただきたいと思う次第である。
