遅ればせながら、3月15日に市内中学校卒業式で祝辞を贈りました(書面)、内容を掲載いたします | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

遅ればせながら、3月15日に市内中学校卒業式で祝辞を贈りました(書面)、内容を掲載いたします

小学校卒業式の祝辞だけを掲載して、中学校のものがまだでした。遅ればせながらこちらにも掲載させていただきます。

 

「春の訪れを間近に感じさせる今日の佳き日、中学校の卒業式が挙行されますことを心からお慶び申し上げます。

 本日、義務教育のすべての課程を終え、卒業証書を手にされました卒業生の皆さん、本当におめでとうございます。  皆さんは中学3年生という青春の大切な時期を新型コロナウイルス感染症の感染拡大という、人類史上まれにみる緊急事態の下で過ごしました。修学旅行をはじめとする様々な行事が中止されたり縮小されたりするなかで、それでも全力で最終学年を終えられた今日のこの日の感激はひとしおと思います。
 さて、2月19日、NASAの火星探査機Perseverance(パーサヴィアランス)が火星に無事着陸し、皆さんは集音機でとらえられた火星の風の音を興味深く聴いたのではないかと思います。実は、今年は人類が送り込んだ火星探査機の最初の火星着陸から50年の節目となる火星探査史上記念すべき年です。1971年5月、ソビエト連邦の火星探査機マルス2号、マルス3号が相次いで打ち上げられました。1971年11月27日、マルス2号は着陸に失敗したものの、12月3日、マルス3号が着陸し、たった14.5秒ですが、貴重な映像を地球に送信しました。実は日本も1998年に「のぞみ」という火星探査機を開発し、2003年には火星周回軌道に入る予定でした。残念ながら火星までわずか1000キロのところで原因不明の故障により、ミッションは未完に終わりましたが、私は今でもその時のワクワク感と失敗を知った時の無念さを覚えています。さて、宇宙探査は人類の「新たなことを知りたい」という欲求を象徴する大事業ですが、私たちの日常生活もまた、未知との遭遇に満ちています。ウィズコロナの生活もまた、楽しいものではありませんが、新たな遭遇であり、皆さんはそれぞれ工夫して新型コロナウイルスに感染しないライフスタイルを確立してきたことと思います。新型コロナワクチンの接種がようやく医療者向けに行われています。まだしばらくは新型コロナウイルスとともに暮らす生活が続きますが、いずれはこの不便な時期も終わります。卒業生の皆さんにお願いしたいのは、ウィズコロナの時代にただ耐えるのではなく、コロナの次の新たな時代を自分なりに想像し、生き方を構想していただきたいということです。市役所もまた、ポストコロナを見据えた市政運営に取り組んでまいります。今回、NASAが送り込んだ火星探査機の名前であるパーサヴィアランスは火星探査の歴史ともいえる「忍耐力」という意味です。前回の探査機、キュリオシティの意味は「好奇心」でした。忍耐強く、好奇心を持って新しい生活に臨んでください。
 結びに、卒業生と学校に関係するすべての皆さまの益々のご多幸をご祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。」