市政レポートより、3期を振り返っての、しばさき光子税理士との対談(後半)です | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

市政レポートより、3期を振り返っての、しばさき光子税理士との対談(後半)です

先日の記事につつぎ、紙でお配りしている「市政レポート」より、3期を振り返っての、しばさき光子税理士との対談(後半)をお届けします。

 

柴﨑 この12年間で印象的な政策は。

松本 地域包括ケアにおいては、1期目、24時間定期巡回・随時訪問サービスをいち早く導入し、2期目に全市展開しました。在宅型介護のモデルとして、今では全国で推進されています。また前市長から引き継いだ介護予防についても、地域にきめ細かく拠点を配備し、高齢者の元気につながっています。このほか、ネウボラなど福祉施策の推進により、和光市として総務大臣表彰を受賞しています。

下新倉小学校の建設も地域の方々のご協力で早期に実現できました。同校は地域活動の拠点や図書館、学童保育など、公共施設再編のモデルとなる地域の総合型施設として、建築・緑化の2部門で建築業界の素晴らしい賞を受賞しました。*

東日本大震災をはじめとする大規模災害において、積極的に職員派遣や物資の支援などを行ったのも大変印象に残っています。被災地支援では国庫による支援もあることから、大きな財政負担を伴わずに職員が鍛えられ、組織としても経験値を積むことができ、今後も実施すべきです。

柴﨑 とはいえ私の目から見ても、課題が多数残っています。まず、お年寄りなど交通弱者対策です。

松本 昨年12月議会で地域公共交通会議に関する条例が可決され、市内の官民の持つ交通資源を持ち寄り、合理的な配分する取組が始まります。また、駅北口から和光北インターまでの電気自動車を使った自動運転サービスによる新交通を内閣府・国土交通省の事業採択の下、4年で実装化する計画が進んでいます。もう一つ、「都市計画道路」という市内幹線計画があり、これを優先的に事業化して行く方向です。

これらは多くの利害関係者の調整の下で事業を進めていかなければならず、大きな組織での勤務経験やマネジメントの資質がある経営トップが絶対に必要です。

柴﨑 コロナで地域の経済が疲弊しています。駅前のカフェの撤退には衝撃を受けました。今、プレミアム商品券事業が行われていますが、買えなかった人が多いという声を聞きます。一人当たりの冊数をより制限すべきです。

松本 事業の成果を見ながらになりますが、仮に次回やる際にはぜひ。

柴﨑 都市基盤整備では、北側にかなり力が入っていますが、大江戸線の延伸とともに、魅力が爆発的に上がるのが南一丁目を中心とする和光市の南側の地域です。練馬区との連携により、鉄道新駅を活かしたまちづくりができるのではないですか。

松本 その通りです。練馬に限らず隣接自治体としっかりと連携を進めてきました。地下鉄延伸が具体的に動き始めたら、延伸を前提としたまちづくりを民間活力も生かしながら、練馬区とも連携して進めることでびっくりするほど便利になるでしょう。

柴﨑 不祥事対策がコロナ禍のなか、停滞している印象があります。

松本 今年前半には裁判の決着がつき、第三者委員会も一気に進みます。また、私としては任期中にできる判断は行い、今回私は退任で責任を取りますが、併せて実施させていただきます。

柴﨑 私が代表監査委員を務めていた時にも犯罪行為があったということを含め、事件について報道で知りました。あらためて、組織の風通しに課題があること、そして、いわゆる内部統制制度について施政方針でも言及しておられましたが、積極的に取り組む必要性を感じました。

松本 柴﨑さんの得意とする分野ですね。私はこの件のけじめをつけ、次は出馬しないことを早期に決めていましたが、誰もが適切な処理をできるわけではありません。二度とこのようなことが起きないよう、コンプライアンスや経営に強く、責任感のある方が役所を引っ張ることを望みます。

 

*注記 単なる学校建設ではない、というのがポイントです。中学校の北部への移転(あるいは建設)問題も学校再編と連動しなければ財政危機の引き金となります。

** 戸別配布の最終版を基にこの記事は作成しています。