陰謀論に毒される前に、新書を! | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

陰謀論に毒される前に、新書を!

身近なところでも増えてきた、陰謀論に毒されていく人の共通項は、ネットリテラシー能力(特にサイトの信頼性を見分ける力)が不十分でかつベーシックな勉強が抜け落ちていること。国家財政(財務省の陰謀とか)も、ワクチン(製薬会社の陰謀とか)も、国際関係も。
そして、ネットにはそういう情報弱者をはめる落とし穴が無数に仕掛けられています。
だから今、Twitterでは「新書読め」がトレンドになっている、というわけです。陰謀論には(まともな)新書の知識があれば十分に対応できるからです。
YouTubeで出てくる自費出版の宣伝をする「日本人は知らない」系の動画はまさに本を読まない層を狙っています(以前話題になったB層扱い)。
YouTube動画を見て「なるほど、やはり陰謀か!」と思ってしまうなら、申し訳ないのですが、自らの基礎学力を疑う必要があるのかもしれません。なお、自費出版の本にもいいものがないとは断言できないけれど、少なくともまともな原稿なら、商業出版の編集者が放っておかないものです。内容がしっかりしていたら、編集の腕で体裁は何とでもなります。
私の前職は編集者です。(元)プロのプライドをかけて言いますけど、自費出版の本は基本的に世間に出すほどの中身がありません。また、商業出版であっても社長が金を出しました、的な本も気を付けた方がいいです。ご存じのようにほとんどが買取で、これはこれで儲かるものですから、体裁は編集が整えますけど、中身は空っぽの本が多い。
身を守りたかったらまず、まともな会社から出ている、まともな本を読もう、ということ。ただ、まともな本というのも意外に見分けるのが大変だし、そもそもヘイト本なんてものも最近は平気で店頭に並ぶので、冒頭の「新書読め」的な話になるわけです。
ちなみに、大手出版社の新書にもトンデモ本はたくさん紛れていますが、率は低いです。
余談ですが、私も一冊新書を共著で書きました(リンク先参照)けど、石川税理士の30年以上に及ぶ実務経験と私の十数年の会計書編集者としての経験をぶち込みましたので、かなりいい評価をいただきました。ただ、新装版を入れても2万部弱で終わってしまったので、いずれまた、相応の研鑽をして新たな新書に挑戦したいと思っています。